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【国際】COP26「グラスゴー気候協定」採択し閉幕。1.5℃目標がデファクト化。化石燃料廃止への表現も

 第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)は11月14日、「グラスゴー気候協定(Glasgow Climate Pact)」を採択し、閉幕した。また、パリ協定のルールブックが当初の予定通り完成した。グラスゴー気候協定には約200ヶ国が合意した。

 グラスゴー気候協定では、COPとして明確に「1.5℃目標」を追求することを決議。これによりパリ協定での「2℃目標」が実質的に「1.5℃目標」へと転換した形。その上で1.5℃目標では、2030年までに二酸化炭素排出量を2010年比45%減、2050年頃にカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)が必要であることも確認した。

 さらに、加盟国の中で国別削減目標(NDC)が未提出の国に対し、可能な限り早急に提出するよう求めた。また既提出国に関しても、2030年目標を強化する再検討を行うよう要請した。2030年までのアクションに関しては、進捗状況を確認するハイレベル閣僚円卓会議を、2022年のCOP27以降、毎年開催することも決定した。

 削減に向けては、事務局に対し、COP27に向けて長期的な低炭素戦略の統合報告書を作成することも要請。同報告書の内容と各国のNDCを整合させることの重要性も確認した。今後この報告書に何が記載されるかでも交渉が始まることとなる。ジャスト・トランジション(公正な移行)の必要性も盛り込んだ。メタン等の非二酸化炭素の温室効果ガスの排出量を2030年までに削減するための行動を強化するよう検討することも求めた。さらに発展途上国への支援強化が、世界的な高い野心の実行を可能にすることも認識するという文言も入った。

 石炭火力発電所に関しては、COP26議長国英国は、例外なく段階的に全廃させる文言を盛り込むことで最後まで調整したが、インドや中国等が反発し、「Unabated」な石炭火力発電所を段階的に削減させる努力を加速させるという表現が最終的に盛り込まれた。Unabatedは、炭素回収・利用・貯留(CCUS)が導入されていない発電所と国際的に解釈されている。同時に、英国は、化石燃料に関しても公的支援の全廃を目指したが、最終的には「非効率な補助金」を段階的に削減させる努力を加速させるという表現となった。

 また、気候変動適応については、国別適応計画の未提出国に対し、COP27までに提出するよう要請。全体としては、今後2年間の「グラスゴー・シャルム・エル・シェイク作業計画」がCOP26直後から開始されることも決まった。先進国に対しては、発展途上国に対する資金、技術移転、キャパシティビルディングでの支援を迅速かつ大幅に拡大することも要求した。すでに先進国が資金支援を拡大してきていることも認識しつつ、2025年までに2019年比で2倍以上にすることを求めた。国際開発金融機関や政府系金融機関だけでなく民間金融機関に関しても資金動員を要求した。

 先進国から発展途上国にコミットしている年間1,000億米ドル以上の資金支援に関しては、2025年までに完全達成するよう求めた。すでに深刻化している災害に関しては、加盟国や他のステークホルダーを含め「グラスゴー対話」機関を創設。損害の回避や最小化、資金源等の議論を進める。

 議長国英国は今回、2年前にはカーボンニュートラル目標を設置していた国はGDP換算ではわずか30%だったが、現在では約90%にまで達したと強調。2年間の議長国英国と、協力国イタリアの成果を誇った。

[2021.11.15修正]
一部内容を修正した。

【参照ページ】COP26 KEEPS 1.5C ALIVE AND FINALISES PARIS AGREEMENT
【参照ページ】Glasgow Climate Pact

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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