国連世界食糧計画(WFP)のデビッド・ビーズリー事務局長は11月8日、世界各地で急性飢餓が急増していると警鐘を鳴らした。WFPの飢餓分類で「IPC4 」以下に属している43カ国での飢餓人口が近年では最悪の4,500万人にまで上ると発表。2020年年初の4,200万人、2019年の2,700万人から大幅に悪化しているとした。
理由については、燃料費の高騰、食料価格の高騰、肥料の高騰が原因と指摘。飢餓を回避するためのコストは、今年初めの66億米ドルから70億米ドルに増加し、従来の資金が限界に達していると危機感を顕にした。
急激な食糧不安に直面している家族は、上昇する飢餓に対処するために、破滅的な選択を迫られている模様。WFPが43カ国を対象に行った脆弱性分析によると、家族は食事の量を減らしたり、食事を完全に抜いたり、大人よりも子供に食事を与えたり、極端な例ではマダガスカルのように生き延びるためにイナゴや野生の葉、サボテンを食べることを余儀なくされているという。
他の地域では、家族は子供を早期に結婚させたり、子供の通学をやめさせたりし、経済的負担を軽減。貧困脱出のための実施されている施策が逆行してきている。また、家畜等を売りに出したりしており、長期的な家計の安定化からも逆行してきている。アフガニスタンでは、子供を売りに出すことも報告されている。
WFPの食料価格指数は、9月の世界の食料価格指数は130.0とになり前年同月比で33%上昇。10年ぶりの高値を記録した。さらに、燃料価格の高騰により輸送コストが上昇し、世界のサプライチェーンが深刻化している。1年前には1,000米ドルだったコンテナの輸送コストが、現在では4,000米ドル以上にまで上昇している。
【参照ページ】WFP warns of countdown to catastrophe as acute hunger reaches new peak
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