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【アメリカ・中国】両政府、気候変動での対策強化で連携合意。CCUSなし石炭火力の支援廃止も

 米ジョン・ケリー気候問題担当大統領特使と、中国の解振華・気候変動担当特使は11月10日、第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)の場で、気候変動対策の強化で合意する共同声明「2020年代の気候アクション強化に関する米中グラスゴー共同宣言」を発表した。

 同声明では、両国はまず、2021年8月9日に発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書に対する第1作業部会の報告書に警鐘を鳴らし、気候危機の深刻さと緊急性を認識。壊滅的な影響を回避するために、2030年までのアクションを加速し、多国間プロセスを通じて、対処することを約束した。

【参考】【国際】IPCC、第6次報告書のWG1報告書公表。2040年に1.5℃上昇。2100年に2m海面上昇のリスク(2021年8月10日)

 今回の両政府は、相互協力分野として、2030年までの二酸化炭素排出量削減に関する規制枠組と環境基準の策定、クリーンエネルギーへの移行がもたらす社会的便益の最大化、エネルギーの最終需要セクターのカーボンニュートラル化と電化促進、サーキュラーエコノミー分野、炭素回収・利用・貯留(CCUS)や大気直接回収(DAC)の技術展開の5つを定めた。

 さらにメタン削減では、政策に関する情報を共有し、共同研究も促進。2022年のCOP27までに、国と地方の双方の単位での追加措置の策定をすすめることで合意。米国は、「メタン排出量削減アクションプラン」を進めつつ、中国は、最近発表した国別削減目標(NDC)に加えて、メタン削減の国家アクションプランを策定することで合意した。2022年前半には、化石燃料や廃棄物からのメタン削減基準や、農業部門からのメタン削減の検討で会議を開催することも約束した。

【参考】【アメリカ】バイデン大統領、メタン削減計画発表。ガスから再エネ・原発への転換も(2021年11月5日)

 二酸化炭素排出量の削減では、米国は、2035年までに100%ゼロエミッション車への転換を掲げ、中国は、第15次5ヵ年計画期間中に石炭消費量を段階的に削減し、できる限り実現時期を前倒すことで合意。他にも、再生可能エネルギーの低コスト化と安定電源化、送配電整備、分散型発電政策、省エネ政策と基準の策定の4分でも協力することを盛り込んだ。両国は、炭素回収・貯留(CCS)設備が搭載されていない石炭火力発電への支援を廃止することへの各々のコミットメントも確認し合った。

 森林破壊に関しても、違法な森林破壊をなくすことで重要との考えで一致した。

 開催中のCOP26については、気温上昇を1.5℃に抑えるための努力を追求し、必要に応じて2030年のNDCや長期戦略を発表または改訂することが重要とした。科学的根拠に基づく政策を実施することや、共通だが差異のある責任と各々能力を反映した合意を目指すことでも一致した。

 最後に両国は、2025年までに2035年のNDCを発表する意向も確認した。今後、両国間で「2020年代の気候行動の強化に関する作業部会」を設置し、定期的に協議を進める考えも披露した。

 バイデン政権は11月9日、米連邦議会に対し、6月3日の大統領令で決定した中国企業関連の証券投資を制限する国家緊急事態法上の措置を延長することを通知したばかり。しかし、気候変動対策では中国との連携を強化する。

【参照ページ】U.S.-China Joint Glasgow Declaration on Enhancing Climate Action in the 2020s
【参照ページ】Letter to the Speaker of the House and the President of the Senate on the Continuation of the National Emergency with Respect to the Threat from Securities Investments that Finance Certain Companies of the People’s Republic of China

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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