英医薬品・ヘルスケア製品規制庁は11月4日、医薬品世界大手米メルク(MSD)と米リッジバック・バイオセラピューティクスが開発した新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」を世界で初めて承認した。商品名は「LAGEVRIO」を予定。重症化する危険因子を少なくとも1つ持つ成人の軽度から中等度の治療薬として使用される。
同治療薬は、軽度から中等度の感染症を有する入院していないワクチン未接種の成人患者を対象に800mgを1日2回投与した結果を収集。5日以内に症状が発現し、疾患の転帰を悪化させる危険因子を少なくとも1つ有する患者を対象とした。フェーズ3の臨床試験は、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、ドイツ、グアテマラ、メキシコ、フィリピン、ロシア、南アフリカ、スペイン、台湾、ウクライナ、英国、米国等で実施された。
モルヌピラビルは、米国防総省及び米国立衛生研究所から研究資金の一部を受け、エモリー大学が全額出資する非営利バイオテクノロジー企業Drug Innovations at Emory(DRIVE)で発明。リッジバック・バイオセラピューティクスは、メルクからの共同開発契約を受けるか形で開発され、開発からの利益は、リッジバック・バイオセラピューティクスとメルクで均等に分配される。
メルクは、すでにモルヌピラビルの生産を開始しており、2021年末までに1,000万回分、2022年には2,000万回分以上の生産を見込んでいる。またインドのジェネリック製薬企業への生産ライセンス供与の協議も開始している。Medicines Patent Poolとの協議も始め、低・中所得国でのジェンリック供給も行う考え。
同治療薬は、米食品医薬品局(FDA)に提出したモルヌピラビルの緊急使用許可(EUA)の申請や、EU欧州医薬品庁でも承認作業が進められている。米国に対しては、当局に承認がおり次第、約170万回分を供給する事前契約を締結済み。他の政府との協議も進められている。
【参照ページ】Merck and Ridgeback’s Molnupiravir, an Oral COVID-19 Antiviral Medicine, Receives First Authorization in the World
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