国際サッカー連盟(FIFA)は11月3日、第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)で、FIFAの「気候戦略」を発表。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の「スポーツを通じた気候行動枠組み」が掲げる2030年までに排出量50%減、2040年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)に基づくアクションプランを示した。
FIFAは2018年に「スポーツを通じた気候行動枠組み」に署名。さらに、「FIFA会長ビジョン2020-2023」にも気候変動と生物多様性をの重要な目標の一つとして盛り込んでおり、今回具体的な戦略を公表した。
今回発表の戦略では、教育・啓発、適応、削減、支援・投資の4つを行動領域として設定し、「気候変動対策のための組織準備」「FIFA大会を気候変動の悪影響から保護」「気候レジリエントなサッカー界の発展」の3つのゴールを掲げた。
気候変動対策のための組織準備では、FIFA大会の二酸化炭素排出量を算出し、インパクトをモニタリングできる体制を整える。その上で、パリ協定目標と整合性のある形で2030年までに50%減、2040年カーボンニュートラルに準拠する科学的根拠に基づく削減目標を設定する。これには、FIFAとしての排出量の多い出張、移動、宿泊が含まれる。排出に関しては、高品質なカーボンクレジットでオフセットする。さらに2年毎に進捗状況を開示する。
FIFA大会を気候変動の悪影響から保護では、FIFA大会での気候変動適応と気候変動緩和に関する開催コンセプト、要件、規制等をレビューするとともに、大会や予選運営での二酸化炭素排出量の算出基準も固める。その上で、2022年のFIFAワールドカップから新ルールを導入する。また、スケール可能な気候アクション・プログラムを開発し、今後の全ての大会で導入し、サポーターへの啓発も展開する。大会運営での排出量もオフセットする。
気候レジリエントなサッカー界の発展では、世界のサッカー界全体での二酸化炭素排出量や、気候変動から受けているインパクトに関する調査やリサーチを実施するとともに、加盟組織や下部組織に対する気候変動問題の啓発を行う。ナレッジセンターとして「フットボール気候ハブ」も設立。気候変動適応、緩和、緊急対応でのガイドラインも策定する。加盟組織を支援するため「FIFA Forward Funding Sustainability」も策定し、グリーン投資を実現できるようにサポートする。調達ポリシーでもガイドラインを策定する。
【参照ページ】COP26: FIFA commits to net-zero emission by 2040 and launches FIFA Climate Strategy
【参照ページ】FIFA Climate Strategy builds on long-standing commitment to sustainability
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