欧州委員会は10月28日、廃棄物に含まれる残留性有機汚染物質(POPs)から人体と環境を守るため、廃棄物に含まれるPOPs含有量の規制を強化するルール案を採択した。この提案は、廃棄物に含まれるこれらの化学物質の制限を強化し、経済への再参入を防ぐものである。欧州委員会の「サーキュラーエコノミー・アクションプラン」の一環。
今回の新ルールは、EUのPOPs規則の付属書を改正する形で行う。同規則では、POP物質を含む廃棄物は、人体や環境への影響を最小限に抑えることを規定しいる。
新ルールでは、パーフルオロオクタン酸(PFOA)と関連化合物、ジコフォール、ペンタクロロフェノールと関連化合物で、上限基準を設ける計画。PFOAは、防水繊維や消火剤で多用されており、PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)の1種。また、ジコフォールは、農業用殺虫剤で、ペンタクロロフェノールは、加工木材や繊維製品に含まれている。
【参考】【環境】化学物質PFASとは何か? 〜マクドナルドやアマゾンが使用禁止を決めた背景やPFOAとの違い〜(2021年1月17日)
さらに今回のルールには、5ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCDD)、短鎖型塩化パラフィン(SCCPs)、ポリ塩化ジベンゾ-p-ダイオキシンおよびジベンゾフラン(PCDD/Fs)、ダイオキシン類似のPCBの5つの化学物質についても、規制値を強化することも盛り込んだ。
同ルールは今後、欧州議会とEU理事会での審議に入る。
【参照ページ】European Green Deal: Commission adopts new limits for some of the most harmful chemicals in waste
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