フィンランド製紙大手ストラエンソは10月20日、2050年までに環境にポジティブなインパクトを与える「ネット・ポジティブ」を実現する目標を発表した。特に気候変動、生物多様性、サーキュラーエコノミーに注力し、ネット・ポジティブの状態を「リジェネラティブ」と表現。同社が提供する製品とサービスの全てを「リジェネラティブ」にする。
同社は、気候変動、生物多様性、サーキュラーエコノミーの3つの分野で2030年目標も設定。気候変動では、スコープ3を含むバリューチェーン全体での二酸化炭素排出絶対量を2019年比50%削減。同目標は、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)の承認も得た。
生物多様性では、2050年までに同社所有の森林およびプランテーションでの環境インパクトのネットポジティブにコミット。2030年に向け複数アクションを開発、始動する。同アクションでは、生物の種・生息地・景観に関するモニタリング指標15個を設定。科学的根拠に基づくモニタリングプログラムも展開する。2022年には、進捗状データも開示する予定。
サーキュラーエコノミーでは、廃棄物の最少化に寄与する透明性ある循環フローの構築にコミット。2030年までの中間目標としては、製品を100%リサイクル可能にする。バリューチェーン上のサプライヤー等へのエンゲージメントや、サーキューラー型のビジネスモデルへの転換等、大規模リサイクルを加速するインフラプロジェクトに注力する。
同社は7月には、リグニンからバッテリー向けの炭素系負極材料「リグノード」を製造するパイロット施設が、フィンランドのスニラ工場で操業している。同社は2015年からリグニンの商業生産を開始しており、2019年には1,000万ユーロを投資。リグニン生産能力は現在年間5万tで同分野で世界最大。
【参照ページ】Stora Enso sets ambitious goal of 100% regenerative solutions by 2050 and announces new 2030 sustainability targets
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