韓国環境部は10月26日、韓国版タクソノミー「韓国式グリーン分類法(K-taxonomy)」の最終草案を発表した。最後のパブリックコメントを募り、年内に決定する予定。これまでにも2回草案を発表してきた。
タクソノミーは、EU欧州委員会が「グリーン」や「サステナブル」と呼称できる分野を定義し、民間投融資を集中的に投下させる目的で検討が先行。韓国もそれに続く形となった。韓国政府は、2050年カーボンニュートラルのロードマップと、2030年の国別削減目標(NDC)を2018年度比40%減とする新目標を、10月27日に閣議決定している。
【参考】【EU】欧州委、EUタクソノミー確定。ガスと原発は年内に最終判断。企業サステナビリティ報告指令も政策合意(2021年4月22日)
【参考】【韓国】大統領直属委員会、2030年のCO2削減を40%に引き上げ。石炭から再エネシフト鮮明(2021年10月19日)
今回の最終草案では、環境目的を、気候変動緩和、気候変動適応、水保全、資源循環、汚染防止・管理、生物多様性の6つとし、EUタクソノミーと一致させた。また、環境目的の合致とともに、「著しい環境破壊をしない(DNSH)」「最低限の社会面での保護(児童労働、強制労働、文化財の破壊等)」を原則として掲げた点も、EUタクソノミーと一致させた。
中身では、カーボンニュートラルを目指す「グリーン」分野と、カーボンニュートラルに向けた過程で必要となる「トランジション」分野に分けて定義した。グリーンは57件、トランジションは4件。そのうち18件は発電・エネルギー分野。但し、原子力発電はグリーンからもトランジションからも除外した。理由について、環境部は、韓国政府自身の脱原発政策や、EUタクソノミー等を考慮したと説明している。
一方、ガスについては、トランジション側に入れた。環境部は、ガス火力発電は、2030年まで一時的に認めると述べている。
今回設定した韓国版タクソノミーは、韓国の国民年金基金等が投資決定に活用するとみられている。同年金基金の運用資産は850兆円(約83兆円)ほど。
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら