国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は10月27日、10月30日から開催されるG20ローマサミットに向け、金融での提言レポート「金融機関による信頼できるネットゼロ・コミットメントのための提言」を発表した。
UNEP FIは、金融機関は、自社からの二酸化炭素排出量は少ないが、事業会社に大きな影響を与える存在と強調。金融機関がカーボンニュートラル化で実施すべき方向性を明確にすることが、世界全体での二酸化炭素排出量削減に寄与するとの考えを披露した。
その上で、国連責任投資原則(PRI)、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)、国連グローバル・コンパクト、世界自然保護基金(WWF)、欧州気候基金(ECF)と共同で、金融機関のファイナンスに関し、11の提言を示した。
- 科学的根拠に基づくノー/ロー・オーバーシュートの1.5℃シナリオの目標に整合させる
- できる限り早くシナリオの前提条件やセクター別等の基準との整合性を実現する
- 近い将来(理想的には5年後)の目標を設定する
- 透明性の高い二酸化炭素排出量報告と、実経済への炭素割当にコミットする
- 化石燃料の新規開発に対する融資を中止する
- 適切な算出バウンダリーを設定し、できる限り早く全体をカバーするよう努力する
- 実経済へのインパクトにこだわり、トランジションを促進する
- 削減できずに残る排出量の中立化(Neutralization)を義務化
- トランジション・ファイナンス。ジャスト・トランジション(公正な移行)含む
- サステナブル・ラベルを貼る商品のサステナビリティ基準の明確化と、利用した指標、シナリオ、手法の透明性の高い開示
- 個社パーパスに応じた実践方法を特定する
- 法人単位の指標と目標、利用シナリオの透明性の高い包括的な開示と、年次の進捗情報の開示
【参照ページ】UNEP FI DELIVERS G20 INPUT PAPER WITH RECOMMENDATIONS FOR CREDIBLE NET-ZERO FINANCE COMMITMENTS
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら