国際環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は10月21日、食品・消費財関連大手10社のインドネシアでの森林破壊関与を分析した新たな報告書「キープ・フォレスト・スタンディング:森林フットプリント評価2021」を発表した。いずれの10社も、開示が不十分と指摘した。
今回対象となった10社は、日清食品ホールディングス、花王、ネスレ、ペプシコ、P&G、ユニリーバ、コルゲート・パーモリーブ、フェレロ、モンデリーズ・インターナショナル、マース。
RANは今回、インドネシアの中でも森林・泥炭地の約3分の2が危機的状況にある北カリマンタン州及び東カリマンタン州を調査対象とした。森林フットプリントとは、サプライチェーン上での森林・泥炭地破壊関与度を示したもの。今回の調査で、対象企業10社は、サプライヤーからの原料調達を通じて、同地域で70万ha以上の熱帯雨林破壊に関与し、さらに825万haの森林が危機にあることがわかったという。
10社のうち、ユニリーバ、ネスレ、コルゲート・パルモリーブの3社は、インドネシア・スマトラ島北部に限定した上で森林フットプリントを公表。日本企業では、花王が森林フットプリント導入について協議している点を「2021年活動方針」で開示しているが、日清食品ホールディングスからは正式な回答はなかった。
RANは、大手企業が森林破壊防止に向けてアクションを起こし始めていることに一定の理解をしつつも、サプライヤーへの徹底が不十分なため、森林破壊が進行していると厳しく指摘した。
RANは、2020年4月から「キープ・フォレスト・スタンディング:森林と森の民の人権を守ろう」キャンペーンを展開。上記10社に対して、サプライチェーンにおける「森林フットプリント」の開示を求めてきた。RANは、森林フットプリントで、サプライチェーンにより悪影響を受けている森林と泥炭地の総面積を分析するとともに、先住民族や地域コミュニティの権利も含めて状況をモニタリングしている。
【参照ページ】新報告書「森林フットプリント評価 2021」発表〜インドネシア・ボルネオ島の森林と地域コミュニティへの影響について、大手消費財企業10社の開示状況を評価〜(2021/10/22)
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