サステナビリティ・サプライチェーン評価世界大手仏EcoVadisは10月5日、同社が評価を実施した世界46,000社の全体傾向をまとめた5回目の年次報告書「Business Sustainability Risk and Performance Index 2021」を発表した。評価対象期間は2016年から2020年の企業データ。国際標準産業分類(ISIC)を基に、軽工業、重工業、先進工業、食品、建設、卸売・サービス・専門、輸送、ICT、金融・法務・コンサルティング・広告の9業種に分類し、各業種の傾向もまとめた。
EcoVadisのサステナビリティ評価は「環境」「労働慣行や人権」「公正な企業倫理」「サステナビリティ調達」の4テーマ21項目あり、各企業は0から100まででスコアリングされる。また各企業は、従業員1,000名以上の大企業とそれ未満の中小企業の2つに分類される。
(出所)EcoVadis Business Sustainability Risk and Performance Index 2021
全体傾向としては、2021年パフォーマンスでは、最頻値が45-54。優良企業だと75以上取得しているところもある。
(出所)EcoVadis Business Sustainability Risk and Performance Index 2021
2016年との比較では、過去3年間スコア対象となってきているのみを集計した結果、4テーマとも大きく上昇。毎年の改善度合いが進んでいることがわかる。
(出所)EcoVadis Business Sustainability Risk and Performance Index 2021
同報告書では、世界の地域別の傾向も発表されており、世界をリードしているのは欧州。その後を北米と中南米が追う。最も低いのは中華圏。
同報告書は、特徴として、企業の調達部門が、サステナビリティとレジリエンスを一体として考えるようになってきたことを挙げた。特に新型コロナウイルス・パンデミックでは、サプライチェーンやビジネスオペレーションにサステナビリティを効果的に組み込んでいる企業こそが、パンデミックによる混乱を回避するための最も優れた能力を備えていることが明らかとなったことも大きいという。
一方、テーマの一つである「サステナビリティ調達」の平均スコアが年々下がっていることに関しては、詳細説明の章も用意した。背景には、パンデミックを機に、サプライチェーン上のリスクが増しており、サプライチェーン・デューデリジェンスの法規制強化の動きがある中、求められる基準値が上がってきていることにあることがあるという。
【参照ページ】2021 EcoVadis Sustainability Index Highlights: Supply Chain Risks Compromise Global Performance Growth
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