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【国際】UNFCCC、192ヶ国の最新目標では2030年にCO2が16%増と警告。CO2濃度も過去最高を更新

 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局は10月25日、11月から始まる第26回気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)に向け、各国の国別削減目標(NDC)を調査した最新の報告書「NDC統合報告書(Synthesis Report)」を発行した。UNFCCCは9月17日に最新のNDC報告書を発行しており、今回の報告書はそれを分析したもの。

 UNFCCCによると、9月17日の報告書の時点で、86ヶ国からNDCの更新もしくは初回報告があったという。さらに10月12日時点では後受けで143ヶ国からの更新もしくは初回報告があり、今回の報告書ではそれらを分析した。143ヶ国の最新目標では、2030年の二酸化炭素排出量は2010年比で2030年に9%減。さらに71ヶ国が2050年頃にはカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量)を宣言しており、2050年には2019年比でパリ協定締約国の二酸化炭素排出量は83%から88%減少する可能性があることもわかった。

 一方、NDCを未提出の国も含め世界192カ国の利用可能なNDCを合算すると、2030年の世界の二酸化炭素排出量は2010年比で約16%の大幅増となる見込みとした。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の知見を踏まえると、このペースでは、2100年末までに約2.7℃の気温上昇をもたらす可能性があるという。

 UNFCCCは今回、世界平均気温の上昇を1.5℃に抑えるためには、二酸化炭素排出量を2030年に45%削減、気温上昇を2℃に抑えるためでも2030年までに25%削減する必要があるとのIPCCの推定を紹介。2030年までに削減できなければ、カーボンニュートラルへの道のりの遅れを補うために、その後も大幅に削減する必要があり、そのためのコストは高くつくという。

 世界気象機関(WMO)も同日、2021年度の「温室効果ガス年報(Greenhouse Gas Bulletin)」を発行。大気中の二酸化炭素濃度は、2020年に413.2ppmに達し、産業革命前の149%にまで上昇。メタン濃度は262%増、一酸化二窒素も人間の社会活動が自然均衡を崩し始めた1850年比で123%にまで増えた。新型コロナウイルス・パンデミックで、2020年は新規の排出量が一時的に減少したものの、温室効果ガスの大気中の濃度とその成長率には目立った影響を与えなかった。背景には、大気に排出された二酸化炭素は寿命が長く、蓄積が続いてしまうため。排出量を削減しても、濃度はしばらくは上がり続けると説明した。

 WMOは10月22日には、世界気象会議を開催。気候変動が社会に与える影響が増していることを踏まえ、気象・気候データサービスの拡充を決議。特に、気候変動が引き起こす水リスクの優先順位を高め、水文学のための戦略と行動計画、水宣言、水と気候のための新たな連合の設立も承認した。加えて、1995年のポリシーに代わる新たな「WMO統一データポリシー」、観測システムの新規格「グローバル基礎観測ネットワーク(GBON)」、データギャップを埋めるための資金援助メカニズム「システマチック観測金融ファシリティ」の策定にも漕ぎ着けた。

【参照ページ】Updated NDC Synthesis Report: Worrying Trends Confirmed
【参照ページ】Greenhouse Gas Bulletin: Another Year Another Record
【参照ページ】World Meteorological Congress concludes historic session with landmark decisions

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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