化学世界大手独BASFは10月21日、持続可能な農作物保護剤に用いられる有効成分の発見で、デンマーク製薬バイパーゲンと協働すると発表した。医薬品の有効成分の検証で活用されているバイパーゲン技術が、農業分野で採用されるのは今回が初。BASFは、今回の協働で開発された全製品のマーケティング権を独占的に持つ。
同技術では、生体細胞の標的たんぱく質に対する新たな化学物質の検証が可能。生体細胞内での検証は、細胞から標的たんぱく質を隔離し、精製する従来メソッドより正確な結果が得られる。また同検証は、数百万の化学物質で実施でき、単一の実験で農作物保護や環境インパクト等を全て検証できるため、検証期間を大幅に短縮することも可能。
またBASFと食品世界大手米カーギルは10月19日、動物栄養事業でのパートナーシップを拡大し、家畜用酵素の共同開発と販売を行うと発表した。流通での協働地域も拡大する。
今回の協働では、家畜が飼料から栄養分を吸収する効率を高めることで、必要となる飼料量を削減。これにより家畜サプライチェーンでの土地利用や水消費量を削減することを狙う。また、さらに家畜排泄物に含まれるリンや窒素等の環境破壊物質の含有量も低減する。これにより、畜産全体でのサステナビリティを向上させる。
BASFは、酵素開発力に優れ、すでに200万以上の微生物を含むゲノム情報を保有。一方、カーギルは農業分野での販路に強い。両社はすでにブラジルや中等、アフリカでマーケティング分野の提携実績があり、今回開発する酵素でも共同でグローバル市場での販売体制を構築していく。
【参照ページ】BASF and Vipergen accelerate targeted research and development of sustainable crop protection products
【参照ページ】BASF and Cargill expand partnership to develop and market innovative enzyme-based solutions for the animal feed industry
【参照ページ】BASF and Cargill expand partnership to develop and market innovative enzyme-based solutions for the animal feed industry
【画像】BASF
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