金融安定理事会(FSB)は10月15日、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が第4回の進捗報告書「2021進捗レポート」を公表した。1年間で賛同機関数が、1,512から2,616へと急上昇した。
【参考】【国際】TCFD、2020年進捗レポート発表。金融セクターの情報開示促進でパブコメ募集も開始(2020年10月30日)
進捗レポートによると、TCFDへの賛同企業・団体は、現在89ヶ国から2,616。2020年比では73%増。時価総額合計は25兆米ドル(約2,850兆円)。を超える。そのうち金融機関が1,069で、運用資産総額は194兆米ドル(2.2京円)。法定の情報開示ルールにおいて、TCFD情報開示が制度化されているのは、英国、EU、スイス、ブラジル、ニュージーランド、香港、シンガポール、日本の8ヶ国・地域。
国別の賛同機関数では、日本が527で最多。次いで、英国384、米国345、オーストラリア125、フランス117の順。一方、TCFDが提供しているオンラインツール「TCFDナレッジ・ハブ」へのアクセス数では、英国が全体の20.4%、米国が18.9%を占めた。日本は3.4%で世界第7位。
今回TCFDは、1,651社の報告状況を調査。50%の企業のみが、開示推奨項目を3つ以上開示しており、依然として開示の質に課題があることもわかった。但し、昨年の平均開示項目は2だったが、今年は3に増えた。75%以上の企業が、開示推奨項目を1つ以上開示していた。
(出所)TCFD
TCFDの各項目での開示度では、最も開示率が高いのが、「戦略a.リスクと機会」で52%。続いて「指標と目標a.気候関連指標」が44%、「戦略b.組織へのインパクト」が39%、「指標と目標b.スコープ1、2、3」が37%、「指標と目標c.目標」が34%の順。一方、シナリオ分析を求める「戦略c.戦略レジリエンス」は13%で最も低かった。
また今回TCFDは、指標、目標、トランジション計画を策定、及び財務インパクトを算出するためのガイダンスと、TCFDガイドライン全体の実践ガイダンスも改訂。最新版にアップデートした。
【参照ページ】TCFD 2021 Status Report
【参照ページ】Guidance on Metrics, Targets, and Transition Plans
【参照ページ】Implementing the Recommendations of the Task Force on Climate-related Financial Disclosures
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