英環境シンクタンクは10月、グリーンウォッシュ企業を排除するため、投資家に対し、ESG投資の一環として、空売りを積極的に行使すべきとする声明を発表した。但し、空売りは高度な専門性を要するため、投資の専門家が実施すべきとした。
今回の声明を発表したのは、プラネット・トラッカー。今回の声明の特徴は、空売りはESG投資の思想に反するとの意見も多数ある中、同団体として、空売りがESG投資の目的を達成するのに有効との見方を示した点にある。
空売りに関しては、企業を弱体化させ、他人の弱さを利用して利益を得ようとするものだという見解があることを紹介。また、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2019年に、空売りを目的とした貸株を禁止し、長期投資家としての責任と矛盾するとするアクションを起こしたことにも触れた。
【参考】【日本】GPIF、貸株行為を停止。スチュワードシップとの整合性を欠くと判断。債券レンディングは継続(2019年12月4日)
それに対し、今回プラネット・トラッカーは、空売りはESG投資と矛盾しないと主張。ESG投資は、長期的かつロングオンリーの戦略として捉えられることが多く、投資家は株式を購入して保有し、エンゲージメントに重きを置いているが、ESGの観点から望ましくない企業に積極的に空売りをすることで、当該企業の株価が下落していく局面でもリターンが得られる利点を強調した。
また、ダイベストメント(投資引揚げ)の機運が高まる中、ダイベストメントでは、投資機会そのものを創出できなくなる懸念を機関投資家が抱えていることも紹介。その解決策として、ダイベストメント対象企業に空売りをすることで、投資機会が得られるとした。また、貸株を通じて、株主になりエンゲージメントも可能になることで、エンゲージメントも継続できるとした。
【参照ページ】Why sustainable investors should embrace shorting
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