環境情報開示を推進する国際NGOのCDPは10月5日、地方自治体での気候変動対策の動向を分析したレポートを発表した。都市、州、地域、政府、企業間の協力がますます不可欠になっていると伝えた。
同レポートは、CDPと持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会(ICLEI)が共同運営する報告システムに回答した世界965都市と136の州・県のデータを基に分析したもの。
同レポートでは、25%以上の都市が、二酸化排出量削減目標の達成は、自分たちがコントロールできない政策に依存していると回答。 一方、約3分の1の都市は、気候変動の影響に適応する能力は、財源や法律に依存していると回答。地方自治体の自己努力だけでは限界があるとの見方を示している。
世界の二酸化炭素排出量の70%は、世界の人口の半分以上(55%)が住む都市から排出されている。都市での気候変動対策が成功するか否かは、国や州・県の政府によって決まることが、今回の調査から明らかになり、各レベルの政府が密接に協力する必要性があることがわかった。
一方、今回の分析では、大多数の州・県が積極的に動いてきていることもみえてきた。例えば、90%以上の州・県政府は、国と協力、あるいは協力する予定があり、88%は都市自治体との強力を開始していた。但し、1.5℃目標の基づく気候変動計画を策定してるのは、都市自治体で20%、州・県では10%に留まっている。そこで今回CDPは、科学的根拠に基づく削減目標設定では「Race to Zero」への参加を、適応計画では「Race to Risilience」への参加を呼びかけた。
今回の発表を受け、国際ヨットレースシリーズ「SailGP」は早速、10月8日、CDPとのパートナーシップを発表。SailGPのパートナーやサプライヤー、大会開催都市に対し、CDPの情報開示に参画するよう促すパートナーシップを締結した。スポーツ界の影響力を通じて、気候変動対策を促進する。
今回のパートナーシップでは、2025/26年に予定されているSailGPの第6シーズンまでに、約1,000社の企業と、50の開催都市にCDPへの情報開示を促す。さらに、SailGPは、2022年にCDPに情報を開示することを約束。スポーツ団体の中でCDP情報開示を宣言したのはSailGPが初。
【参照ページ】COLLABORATION IS MISSION CRITICAL TO SUCCESSFUL CITY CLIMATE ACTION
【参照ページ】CDP joins SailGP’s Race for the Future – championing a world powered by nature through environmental disclosure
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