経済協力開発機構(OECD)は10月8日、136ヶ国・地域の政府が「経済のデジタル化で生じる税課題に対処するための二本柱の解決策に関する声明」に署名したと発表した。これにより、国際税制の大幅な改革が最終合意に達した。OECDは7月にも合意を伝えていたが、最終的に6ヶ国・地域増え、136ヶ国・地域となった。
【参考】【国際】G20/OECDのBEPS枠組み130ヶ国地域、デジタル課税と法人税15%以上で合意。9ヶ国・地域は未加盟(2021年7月2日)
今回の合意での1つ目の柱は、デジタルプラットフォーマー等の多国籍企業に対し、各国間で利益と徴税権を公平に配分すること。企業が物理的に当該国に存在しているかをとわず、事業活動を行い利益を得る市場で課税できるようにする。いやゆる「デジタル課税」と呼ばれるスキーム。
対象企業は、グローバルでの売上が200億ユーロを超え、利益率が10%を超える多国籍企業。社数は概ね約100社。10%を超えた利益率の対象利益のうち25%が市場の管轄区域に再配分される。再配分される税額は、1,250億米ドル程度となる見通し。
2つ目の柱は、世界の最低法人税率を15%に設定すること。適用対象は、売上7億5,000万ユーロ以上の企業と規定。これにより、年間約1,500億米ドルの追加税収が見込まれる。
適用タイミングは、双方とも、2022年に国際条約や国内法制定のモデルルールを締結し、2023年からの施行を目指す。
現在、税源浸食・利益移転に関するOECD/G20包摂的枠組み(OECD/G20 Inclusive Framework on BEPS)の加盟国は、140ヶ国・地域。今回136ヶ国・地域が署名したが、ケニア、ナイジェリア、パキスタン、スリランカの4ヶ国がまだ署名していない。
【参照ページ】International community strikes a ground-breaking tax deal for the digital age
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