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【国際】世界気象機関、将来の水ストレス危機で報告書。2050年には50億人が水不足リスク

 世界気象機関(WMO)は10月5日、気候変動による水資源環境リスクを分析した報告書「The State of Climate Services 2021」を発表した。過去の推移とともに、将来の水ストレス悪化の状況を分析。提言もまとめた。

 2002年から2021年までの過去20年間の状況では、地上貯水量(TWS)が、年間1cmの速度で減少。最も大きな減少は、南極大陸とグリーンランド。低緯度地帯では、水の安全保障へのリスクが高まっている。

 地球上の水のうち、利用可能な淡水はわずか0.5%。同報告書では、2018年には36億人が、1年に少なくとも1ヶ月間、水へのアクセスが不十分だった。これが2050年には、50億人以上に増える見通し。

 水に関連する災害は、過去20年間で頻度が増加。2000年以降、洪水関連の災害は過去20年と比較して134%増えた。洪水関連の死亡者数と経済損失はアジアが中心。干ばつの発生数と期間も同時期に29%増。干ばつ関連の死亡者の多くはアフリカ。

 将来の対策としては、統合水資源管理(IWRM)を強調した。目下、107カ国が2030年までに水資源を持続的に管理するという目標を達成するための軌道に乗っておらず、大幅な強化が必要。また、気象・水文関連の国家機関のうち60%が、水分野での気象サービス提供のためのキャパシティビルディングも必要となっている。

 国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標6「水と衛生」でも、2020年には、36億人が安全に管理された衛生サービスを受けられず、23億人が基本的な衛生サービスを受けられず、20億人以上が安全な飲料水を利用できない状況となっている。

 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局は、パリ協定の国別削減目標(NDC)での最優先課題は「水」と「食糧」と報告されており、各国でも水に対する危機認識が上がってきている。

 今後の提言では、特に小島嶼開発途上国(SIDS)や後発開発途上国(LDC)で、水ストレスをより良く管理するため、統合水資源管理への投資を強化し、特に、に投資する。エンド・ツー・エンドでの旱魃・洪水早期警報システムの整備が急務とした。

【参照ページ】Wake up to the looming water crisis, report warns

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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