アジア開発銀行(ADB)の浅川雅嗣総裁は10月6日、東南アジアの石炭火力発電所を早期廃止するための基金を2022年に創設すると発表した。財務的インセンティブを付け、廃止を促す。日本経済新聞への取材に対して応えた。
ADBは8月、金融世界大手4社とともに、同基金の設立に向けて動いていることを明らかにしていた。また、浅川総裁は7月の演説の中でも、ASEAN地域での石炭火力発電を廃止し、再生可能エネルギーに転換する「エネルギー移行メカニズム(ETM)」基金を創設する構想を話していた。
【参考】【アジア】ADBと欧米金融大手、ASEANでの石炭火力廃止・再エネ転換で金融スキーム準備。COP26に向け(2021年8月12日)
ETM基金では、発電所の全体または運営権の一部を事業者から買い取り、運営主体として直接関与。そのまま運転を進め、投資回収が終わればすみやかに廃止していく。こうすることで、老朽化した発電所の継続稼働を止めさせ、投資回収した段階で廃止させるようにしていく。
浅川総裁は、石炭火力発電所の投資回収には通常20年以上かかるとしつつも、早期の稼働停止を狙い、5年でも10年でも早期に廃止したいと語った。まず石炭火力発電依存度の高いインドネシア、フィリピン、ベトナムを視野に入れ、すでに各国政府や電力会社との協議に入った。最初の購入案件は2022年から2023年にも予定している模様。
まだADBは別途、再生可能エネルギー促進のための基金も設立する方針。
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