欧州委員会は9月23日、電子機器の充電ポートと急速充電技術の規格を統一する無線機器指令改正案を発表した。スマートフォン、タブレット、カメラ、ヘッドフォン、ポータブルスピーカー、携帯型ゲーム機の標準ポートとして「USB-C」規格を義務付ける考え。今後、欧州議会とEU理事会での立法審議に入る。
今回の案件では、欧州議会が2020年1月、欧州委員会に対し、にスマートフォンの充電器の共通規格を定めるよう義務化することを、賛成582、反対40、棄権37の賛成多数で決議。今回の欧州委員会の動きにつながった。欧州議会は、各メーカーで充電器の規格されていないことで、不要な充電器や充電ケーブルによる電子廃棄物(E-Waste)が発生することを問題視していた。
【参考】【EU】欧州議会、スマホ充電器の共通規格規制導入を欧州委員会に要求。アップルは反発(2020年2月9日)
欧州委員会は、2009年から携帯電話などの電子機器の充電規格の共通化を促進。2009年に業界による自主的な合意を促し、その結果、最初の覚書が採択され、市場に出回っている携帯電話用の既存の充電規格の数を30から3に減らすことにつながった。総覚書は、2014年に失効。その後、2018年3月に業界は新たな提案をしていたが、欧州議会としては統一されないことを不服としていた。
また、欧州委員会は今回、充電器の販売を電子機器の販売から切り離すことも改正法案に盛り込んだ。これにより、不要な充電器が、製品販売と一緒に供給されることを防ぐ。
さらに、急速充電技術の規格統一により、メーカーごとに充電速度が不当に制限されることを防ぎ、充電器の使い回しができるようにする。欧州委員会は、新しい充電器の生産と廃棄を減らすことで、電子機器の廃棄物を年間約1,000t減らすことができると推定している。
加えて、消費者が、充電器の使い回しが可能か否かをチェックできるようにするための情報開示の在り方も定める。既存の充電器が、新しい機器でも使えるかどうかをチェックできるようにする。これにより、不要な充電器の購入にかかる年間2億5,000万ユーロの節約につながるとした。
同EU指令は、欧州議会と欧州理事会での可決の後、24ヶ月の移行措置期間を置く。
【参照ページ】Pulling the plug on consumer frustration and e-waste: Commission proposes a common charger for electronic devices
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