世界7ヶ国は9月24日、アントニオ・グテーレス国連事務総長が進める「No New Coal Compact」に署名。炭素回収・貯留(CCS)設備を搭載していない石炭火力発電所建設を2021年末までに中止することにコミットした。
No New Coal Compactに署名したのは、英国、ドイツ、フランス、デンマーク、モンテネグロ、チリ、スリランカの7ヶ国。11月に開催される第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)までにさらに署名国数を増やすとみられている。
今回の発表は、9月24日に米ニューヨークで40年ぶりに開催された国連総会主催のエネルギーに関する首脳レベル会合「国連エネルギー・ハイレベル対話」の中で発表された。対話会合の共同議長は、アヒム・シュタイナー国連開発計画(UNDP)総裁とダミローラ・オガンビイ国連事務総長特別代表(持続可能なエネルギー担当)が務めた。
今回の対話会合では、自発的なアクションを誓約する「エネルギー・コンパクト」の募集を実施。政府、自治体、企業、NGO、業界団体等から150以上の発表が集まった。米国、ドイツ、オランダ、インド、ナイジェリア、マラウイ、シエラレオネ等35ヶ国からも、具体的な再生可能エネルギー拡大の発表があった。
その一環として、グーグルは、1時間単位で再生可能エネルギー100%の電力を調達できるようにするイニシアチブ「24/7 Carbon-free Energy Compact」を発足した。従来、証書の形で形式的に再生可能エネルギー調達を実施していたものを、1時間単位で需給を一致できるようにする。同イニシアチブには、オーステッド、AES、アイルランド外務省、米ニューヨーク州イサカ市、米アイオワ州デモイン市や、新興エネルギー小売企業や、電力トラッキング・スタートアップが多数加盟した。課題となっている政策、技術、市場メカニズム、透明性確保の在り方等を検討、提言していく。
また、「Health Facility Electrification Compact」が立ち上がり、2025年までに25,000の医療施設にクリーンで信頼できる電源への持続的なアクセスを提供することを目指す。パートナー機関は、米国際開発庁(USAID)の「Power Africa」、Shell Foundation、SEforALL、国連開発計画(UNDP)、国連気候変動枠組条約(UNICEF)事務局、国連再生可能エネルギー機関(IRENA)、デンマーク、GAVI、Power for All、Clinton Health Access Initiative、SELCO Foundation。
グリーン水素の分野では、「Green Hydrogen Compact Catalogue」が発足。グリーン水素の拡大に向けて結束する。立ち上げたのは、欧州委員会、ドイツ連邦政府、チリ政府、デンマーク外務省。ナレッジ・パートナーとして、世界経済フォーラム(WEF)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、Race to Zero等、資金拠出パートナーとして、地球環境ファシリティ(GEF)、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・フィナンス(BNEF)がサポートする。
洋上風力発電では、「Offshore Wind Energy Compact」を、IRENAと世界風力会議(GWEC)が発表し、洋上風力発電を世界全体で2030年までに380GW、2050年までに2,000GWを目指すと宣言した。
ジェンダー分野では、国連工業開発機関(UNIDO)、GWNET、ENERGIA、スウェーデン、ネパール、ケニア、アイスランド、エクアドルの各政府が「Gender and Energy Compact」を発足。ジャスト・トランジションのプロセスに、女性が公正な恩恵を受けられるよう追求することで結束した。
【参照ページ】New commitments at UN energy summit a major stride towards affordable and clean energy, but much work ahead to halve energy access gap by 2025
【参照ページ】The 24/7 Carbon Free Energy Compact
【参照ページ】Green Hydrogen Compact Catalogue
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