官民金融機関団体Force for Goodは9月17日、国連持続可能な開発目標を達成するための資金ギャップが総額最大で100兆米ドル(約1.1京円)に拡大したとの試算結果を発表した。新型コロナウイルス・パンデミック等の喫緊の課題により資金ギャップが広がる形となった。
Force for Goodは、官民の金融機関が集う業界団体で、英国に本部がある。加盟機関は、世界銀行、米州開発銀行(IDB)、欧州投資銀行(EIB)、アジア開発銀行(ADB)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、新開発銀行(NDB)、ドイツ復興金融公庫の開発金融機関の他、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、BNPパリバ、クレディ・アグリコル、HSBC、クレディ・スイス、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、みずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングス、日本生命、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、ブラックロック、フィデリティ・インベストメンツ、カーライル等。アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグル、マイクロソフトのGAFAMの他、アント・フィナンシャル、リップル、ストライプ等のフィンテック企業も加盟している。
今回の調査では、金融機関大手は、ファイナンスを大幅に増やし、2020年には過去最高の2.1兆米ドルを投入。2030年までに9.5兆米ドルを投入する見通し。現在、88兆米ドルの運用資産がカーボンニュートラルにコミットしており、世界の総資産の20%に当たる33兆米ドルが投資の意思決定にESG投資を積極的に統合している。
しかし、それでも累計の不足分が100兆米ドルとなる見込みで、世界のGDPの約10分の1に相当する。
現状の課題としては、現在のファイナンス総額のうち44%が気候変動に集中し、SDGs全体に必要な資金の約20%を占めていることや、人的・経済的・社会的SDGsへのファイナンスは32%で、必要資金の約50%半分にとどまっていることを挙げた。また、地域の緊急課題対策でも、先進国に集中しており、発展途上国への資金が大きく不足している。
今回、Force for Goodは、金融セクターでは、サステナビリティに関するアクションが、株主リターンの向上と連動しており、最も先進的な金融機関は、過去5年間のセクター平均リターンを大幅に上回ったとも言及。良いことをするためにイノベーションを起こすことで、将来的に優れた株主利益が得られる可能性があると伝えた。
【参照ページ】Force for Good reveals $100 trillion financing gap for sustainable development ahead of United Nations General Assembly debate
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