米陸軍工兵司令部(USACE)は9月16日、自然を軸としたソリューション(NbS)型の洪水対策に関する国際ガイドライン「洪水リスク管理のための自然および自然を基盤とした特徴の利用に関する国際ガイドライン」を発行した。作成には、10カ国75以上の組織から175名以上の専門家が協力し、5年間を費やした。
米陸軍工兵司令部は、歴史的な経緯で、米国内の土地の環境保全を担当している当局。米国では、高潮による洪水現象が増加。米国の人口の40%が沿岸部に居住しており、その人口は増加すると予測されている。
今回USACEは、沿岸災害の防災では、同時に生態系を保護する必要もあり、従来の強固なインフラの使用だけでは対応できない革新的な方法やアプローチが必要と考えている。そのため、湿地、砂丘、サンゴ礁、島、マングローブ等の自然のインフラを利用して沿岸のコミュニティを保護することで、コミュニティの回復力を持続的に向上させるを追求。今回のガイドライン作成につながった。
同ガイドラインは、USACEの国際協力部門Engineering with Nature(EWN)のプロジェクト。英国、オランダ、カナダの官民の専門家も執筆を担当した。政府関係者、プロジェクト設計事業者、実務家向けに、洪水や暴風雨のリスクを軽減しながら、雇用創出、商業やレクリエーションの維持、回復力の向上、環境サステナブルなソリューションを提供する手法を提示した。
同ガイドラインでは、「自然および自然を基盤とした特徴(NNBF)」の単語を使ったが、英国では「自然洪水マネジメント(NFM)」の名前で呼ばれている。英環境・食料・農村地域省は同日、同ガイドラインの完成を歓迎。英政府としても支持する考えを示した。
【参照ページ】Now Available: International Guidelines on Natural and Nature-Based Features for Flood Risk Management
【参照ページ】Natural and nature based features international guidance
【ガイドライン】International Guidelines on Natural and Nature-Based Features for Flood Risk Management
【参照ページ】EWN
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