持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は9月13日、工業用の熱源での「再生可能熱」分野で、G20諸国の市場環境を分析したランキングを発表した。分析では、ブルームバーグNEF(BNEF)も協力した。日本は最も適した市場環境を示す「ティア1」になれなかった。
工業用熱は、2018年の世界の最終エネルギー需要の3分の1を占めており、二酸化炭素の排出量は運輸業の総排出量とほぼ同等の大きさを。また、工業用熱の燃料は、石炭、石油、天然ガスが主流なため、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)化が要求される分野となってきている。工業用熱は、工業製品だけでなく、食品や製紙の分野でも多く消費されている。
工業用熱のカーボンニュートラル化では、産業用のヒートポンプや電機ボイラーを使った電化が主流となりつつも、他にも、バイオエネルギー、地熱、太陽熱等が果たす役割も大きい。
市場環境の整備としては、依然として高コストの再生可能熱のコスト削減が重要な分野。そのため、WBCSDは、研究開発や初期費用の補助金、再生可能エネルギー全体の高い政策目標設定、電化の促進、化石燃料の市場価格等の観点から、「再生可能熱のホットスポット」という評価手法を開発し、G20諸国を評価した。
ティア1に選ばれたのは、フランス、ドイツ、イタリア、英国、中国、韓国。これらの国は、カーボンニュートラル化をサポートするための最良の市場条件、政策、資源の利用可能性を提供していると判定された。一方、日本は、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアと並ぶティア2にとどまった。
【参照ページ】The best G20 markets for decarbonizing industrial low- to medium-temperature heat
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