韓国自動車大手の現代自動車は9月15日、ドイツ・ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2021」で、事業運営と製品の双方で2045年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を実現すると発表した。
実現に向けた戦略としては、「クリーンモビリティ」「次世代プラットフォーム」「グリーンエネルギー」の3つを打ち出した。クリーンモビリティでは、電池自動車(EV)と燃料電池自動車(FCV)で早期に同社の販売台数の30%にまで到達させる。また市場全体でも2040年までには80%を占めると予測した。
同社は、EV車種「IONIQ 5」を用いたレベル4の自動運転自動車「ロボタクシー」も発表した。自動運転で高い技術を持つMotionlalとの共同で開発で、Motional社、2023年にレベル4の無人運転サービスを開始し、一般乗客の輸送も始める計画。ジョコ・ウィドド大統領も式典に参加した。
同社は同日、LGエナジー・ソリューションと折半出資で設立する合弁企業を通じ、インドネシアでのEVバッテリー工場建設も開始した。場所は、ジャカルタ近郊のカラワン新産業都市にある工場予定地330,000m2。2023年前半までに完工し、2024年前半には量産開始を予定している。NCMAリチウム電池を、年間10GWh生産する。将来的には最大30GWh(EV45万台に相当)まで増強する準備も進めている。生産されたEVバッテリーは、現代自動車と傘下の起亜自動車の共通プラットフォーム「Electric-Global Modular Platform(E-GMP)」に搭載される。
【参考】【韓国】LG化学、環境素材生産増強で2400億円投資。EVバッテリーは現代自動車とインドネシアで生産合弁(2021年8月20日)
燃料電池では9月7日、輸送機関や産業分野で2040年に水素を普及させる計画も発表している。自動車では、2028年までに全ての新型商用車モデルでもFCVもしくはEV車種を投入する。同社は、世界初の量産型燃料電池大型トラック「XCIENT Fuel Cell」をすでに上市しており、最近大幅な改良版の量産も開始。ドイツ誌「VISION mobility」は2021年の「BEST OF mobility」で、XCIENT Fuel Cellを代替燃料車両部門賞に選んでいる。2023年には、XCIENT Fuel Cellをベースとしたトラクターの販売を予定。今回新たに、完全自動走行型FCVトラック「Trailer Drone」のコンセプトも披露した。
同社は、2023年に、低価格・低容量化を実現した新世代の燃料電池を投入予定。2030年までに、FCVの価格をEVと同等にすることを目標としている。また、FCVと産業用水素を一体的に開発していくことで、規模の経済によるコスト削減を狙う。そのため、SUV「NEXO」、バス「Elec City Bus」、トラック「XCIENT Fuel Cell」だけでなく、2040年には都市型エアモビリティ、ロボット、航空機、大型船舶にも採用。建物への電力や冷暖房、都市部のエネルギー源でも燃料電池の普及を進める。
【参照ページ】Hyundai Motor highlights at IAA Mobility 2021
【参照ページ】Hyundai Motor Group and LG Energy Solution Begin Construction of EV Battery Cell Plant in Indonesia
【参照ページ】Hyundai Motor Group Presents Its Vision to Popularize Hydrogen by 2040 at Hydrogen Wave Forum
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