食品世界大手米ペプシコは9月15日、同社のサステナビリティ戦略「pep+(pep Positive)」と、それに伴う2030年の目標を発表した。同戦略は「持続可能な農業」「バリューチェーンのサステナビリティ」「栄養」の3つの柱で構成されている。
まず原材料生産の農業では、同社のサプライチェーン上の農場面積約700haと同等の規模で、リジェネラティブ農業を展開。その上で、農業サプライチェーンに関わる25万人以上の人々の生活を向上させる。
バリューチェーンの環境サステナビリティでは、2040年までにスコープ3まで含めたカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を達成。2030年までにネット・ウォーター・ポジティブを達成。また、容器・包装では、食品や飲料1食当たりのバージンプラスチック量を2030年までに50%削減し、2030年までに再生プラスチックの使用量を50%にまで引き上げる。再充填型の飲料販売事業「SodaStream」もグローバルで拡大する。SodaStreamは、すでに40カ国以上で、ペプシ・ゼロ・シュガー、リプトン、bubly等を販売している。
【参考】【国際】ペプシコ、2030年ネット・ウォーター・ポジティブ宣言。水削減とウォーターエイドへの寄付強化(2021年8月20日)
バリューチェーンでは、社会的なサステナビリティも盛り込んだ。同社はダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)戦略の中で、自社だけでなく、取引先や地域社会でのDE&Iも対象として含めている。今回の発表では、バリューチェーンでも5億7,000万米ドル(約630億円)を投入し、DE&Iの向上を進める。また、グローバル規模での従業員ボランティア・プログラム「One Smile at a Time」も導入し、全従業員29.1万人にボランティア活動への参加を奨励する。
栄養では、地球環境と栄養の双方を改善するため、食品・飲料の原材料の多様化を進める。具体的には、ひよこ豆、植物性たんぱく質、全粒粉の活用を、既存の製品や新製品で広げる。また、糖分、脂肪分、塩分の削減では、科学的根拠に基づく目標値を製品全体に適用する。ナッツや豆類では、すでに世界市場で大きなシェアを占めている事業をグローバルに拡大しにいく。
同社の各ブランドでは、すでに容器・包装でのアクションを加速あせている。米国では2030年までに「ペプシ」の全ブランドで再生PET(rPET)100%のペットボトルに転換。欧州の11市場では、2022年までに「ペプシ」の主要ブランドでrPET100%ボトルへの移行が完了する。
スナック菓子では、独自開発の植物由来材料の完全堆肥化可能パッケージを子会社フリトレーの「Off The Eaten Path」ブランドで一部採用し、今月から米ホールフーズで販売を開始している。同社は同日、同技術を市場全体に広げるため、ライセンスの無償提供も開始すると発表した。
【参照ページ】PepsiCo Announces Strategic End-To-End Transformation: pep+ (PepsiCo Positive)
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