伊藤忠商事は9月6日、再利用可能な木質パルプ由来の耐久素材を開発・生産するフィンランドのパプティックに出資したと発表した。パプティックは、フィンランド国立技術研究センター(VTT)が開発した基礎技術を商用化。伊藤忠商事は今回の出資で、日本市場での独占販売権も得た。
パプティックは2015年に創業。使い捨て袋を代替する素材として開発され、紙と同じ木質パルプ由来ながら耐久性が高く、再利用が可能。紙としてリサイクルもできる。また、既存の製紙工場ラインで生産が可能で、紙と同様に生分解性もある。すでにサーキュラーエコノミー化が進んでいる欧州では、高級デパートの手提げ袋(紙袋代替)や、フィンランド最大手の食品・菓子メーカーの包材(プラスチック代替)、E-コマース用配送外装(プラスチック代替)等に活用されている。
伊藤忠商事は、2020年にフィンランド大使館商務部から同社の紹介を受け、日本における戦略的マーケティングパートナーとして展開を進めてきた。パプティックは、2021年1月には世界包装機構からWorldStar Award賞を受賞。世界的に注目されている。
また、伊藤忠商事は9月2日、アブダビ国営石油会社が販売を開始したブルーアンモニアを日本に輸入し、肥料用途としてのマーケティングを開始したことも発表した。ブルーアンモニアを、燃料用途ではなく肥料用途で利用するのは今回が日本初の試み。
ブルーアンモニアは、天然ガスからアンモニアを製造する際に排出される二酸化炭素を炭素回収・貯留(CCS)で固定するもの。伊藤忠商事は今回、宇部興産等ともブルーアンモニア肥料のサプライチェーン構築を検討することも発表した。
さらに伊藤忠商事8月30日 、JERA、三菱パワー、東洋エンジニアリングと協働で、木質バイオマスを原料とした持続可能なジェット燃料(SAF)の製造技術確立とサプライチェーン構築を進めると発表した。木質セルロース等の固形物をガス化により、水蒸気および少量の酸素と反応させて一酸化炭素と水素を生成し、触媒を用いたFT反応器で液体炭化水素(燃料)に合成する技術「ガス化FT合成」を採用する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からも2024年までに4年間の助成金を受ける。最初2年がフィージビリティ調査。
伊藤忠商事は9月3日、女性活躍推進委員会を組成したことも伝えた。社外取締役を委員長とし、社外取締役2人、社外監査役1人、社内取締役1人、社内監査役1人、執行役員人事・総務部長の計6人で構成。そのうち委員長を含む3人が女性。全社的なジェンダー・ダイバーシティ施策のレベルを引き上げにいく。
【参照ページ】Paptic(パプティック)社との資本業務提携について
【参照ページ】ブルーアンモニアの肥料用途における展開について
【参照ページ】商業規模の国内SAF製造実証およびサプライチェーン構築に参画
【参照ページ】女性活躍推進委員会の新設について
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