自動車世界大手独BMWは9月6日、サーキュラーエコノミー原則を徹底し、バリューチェーンでの二酸化炭素排出量を大幅に抑えるコンセプト車「i Vision Circular」を発表した。個人向けの高級車種を目指す。今年の「IAA Mobility 2021」で発表する5種類のコンセプト車の一つとして掲げる。
i Vision Circularでは、4輪型のEV車種。車両生産でのリサイクル材料使用率を100%、使用後のリサイクル可能率も100%を追求する。また製品ライフサイクルでの二酸化炭素排出量を大幅に抑えるため、再生素材だけでなく、認証を受けたバイオ素材も重視する。また搭載する全固体電池も、原材料をほぼ100%再生素材のみで生産し、また100%リサイクルも可能。
今回BMWは、i Vision Circularを実現するために、「RE:THINK」「RE:DUCE」「RE:USE」「RE:CYCLE」の4つのアプローチを掲げた。RE:THINKでは、車両設計のコンセプトを根本的に見直し、各構成部品の機能を徹底的に検証し、必要部品を着脱・分解しやすいように設計する。
RE:DUCEでは、部品数、素材群、表面仕上げを徹底的に削減。外装塗装、皮革素材、クロム原料を完全に排除する。また、バイオ原材料の使用率を高める。デジタル化に関しては、スマートコントロールパネルにより、材料の使用量を削減。さらに、デジタル表面処理により、ハードウェアのバリエーションを減らす。
RE:USEでは、デジタルディスプレイを活用し、エクステリアやインテリアのアップデートを可能にする。これにより、常に新車の感覚を提供し、製品を長く愛用してもらえるようにする。無線やクラウドコンピューティングを利用した継続的なアップデートも行い、性能としても常にアップグレードできるようにする。さらに、簡単にパーツを着脱できるようにすることで、消費者が常に好みのモデルに変えられるようにする。
RE:CYCLEでは、素材のリサイクルが可能なように、単一素材を追求する「モノ・マテリアル」を掲げた。そのため、接着剤による接着や、コンポジット(複合素材)の使用を避け、コードやプレス・スタッドや、ホイール、シートではインストルメント・パネルでは、クイック・リリース・ファスナー等の生産技術を採用する。専用のソケットレンチは、ファスナーで結合された部品を1回転で分離する「ジョイフル・フュージョン」ファスナーを採用。盗難防止と安定した接続性だけでなく、車両の多くの構成部品を1つの工具だけで解体できるようにする。
【参照ページ】The BMW i Vision Circular.
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