環境省は9月3日、行動科学を活用した「ナッジ」によるライフスタイルの自発的な行動変革を創出で、実証プロジェクトでの検証結果を発表した。家庭向けの省エネ施策で成果があった模様。
環境省は現在、産学政官民連携・関係府省等連携のオールジャパンの体制による日本版ナッジ・ユニット「BEST(Behavioral Sciences Team)」の事務局を務めており、2017年度から実施している「低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)による家庭等の自発的対策推進事業」の採択案件では、案件の結果を公表している。
今回の発表では、日本オラクルと住環境計画研究所が、北海道ガス、東北電力、北陸電力、関西電力、沖縄電力の5社のエネルギー事業者の協力の得、当該事業者の供給エリア内の約30万世帯を対象に、行動科学の知見に基づく省エネアドバイス等を記載したレポート(ホームエネルギーレポート)を送付。電気やガスの使用量にどのような効果が表れるかを実証した。レポートは、2017年度から2020年度までの4年間に毎月ないし2か月に1回程度の頻度でレポートを2年間送付し、ランダム化比較試験(RCT)で効果検証した。さらに、レポートの送付を停止した後1年間の効果の持続性についても検証した。
結果、レポートの送付により、平均で約2%の省エネ・省CO2効果が統計的に有意に確認されるとともに、レポートの送付停止後も同程度の効果が少なくとも1年間継続することが統計的に有意に確認された。事業を実施した4年間での累積の二酸化炭素削減量は47,000tに及び、効果の持続により今後累積で111,000tの排出削減されることが推計されるという。
今回実証では、ナッジの効果が持続しにくいと言われる中、効果が持続する施策を実証できた。
【参照ページ】環境省ナッジ事業の結果について
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