中国石油化工(シノペック)は8月30日、2021年から2025年までの「第14次5ヵ年計画期間」で、水素エネルギーに総額300億人民元(約5,100億円)を投資すると発表。二酸化炭素排出量を1,000万t以上削減の目標達成に向け、大きく前進する。
今回の発表では、水素補給ステーション、高純度水素の抽出・貯蔵装置、水素の貯蔵・利用、素材の研究開発等が主な投資分野となる。特に水素補給ステーションを1,000カ所に設置、年間25万tの水素を供給。水素生産では、グリーン水素と、水素エネルギー輸送に注力し、年間で100万t以上の工業用水素を生産する計画。
同社は8月24日、子会社の上海石油化学の配電室の屋上に400MWの太陽光発電パネルを敷設すると発表。同案件は、上海石油化学の新エネルギーパイロットプロジェクトの第1号となり、将来的には、他の屋上や沿岸部での大規模太陽光発電を進める考えも披露した。さらに洋上風力発電事業も積極化するとともに、バイオ燃料でも先端技術の開発を進める。これらにより、上海に、巨大なグリーン水素生産・供給インフラを建設する。
また一方で、天然ガスの生産量も今後3年間で毎年10%以上の拡大も目指す。
シノペックは、石油化学分野では8月5日、BASFとの折半合弁BASF-YPCが運営するフェアブントの拡張も発表。2023年までに、プロピオン酸、プロピオンアルデヒド、エチレンアミン、エタノールアミン、精製酸化エチレンの生産能力を拡大し、アクリル酸tert-ブチルの新プラントを建設することを伝えた。BASFが誇るアクリル酸tert-ブチルの生産技術がドイツ国外に導入されるのは今回が初。
一方、中国海洋石油集団(CNOOC)は8月30日、中国初の沖合での炭素回収・貯留(CCS)プロジェクトを南シナ海で開始。毎年30万tを海底80mの貯留層に圧入する。全部で146万t以上の貯留を計画している。CNOOC子会社の中国海洋石油は、2025年までに年間支出の最大1割をグリーンエネルギーの分野に投入するとしている。
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