金融世界大手ドイツ銀行の運用子会社ドイチェ・アセット・マネジメント(DWS)は8月26日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが同社のESG投資に「グリーンウォッシングの懸念がある」と報じたことに対し、反論声明を発表した。同紙の報道後、すでに米国とドイツでは金融当局の捜査が開始されている。
今回の報告では、DWSのサステナビリティ責任者だったデジレ・フィックスラー氏が、ウォール・ストリート・ジャーナルに告発したことが発端。同社は3月に発表した2020年アニュアルレポートの中で、運用資産9,000億米ドルのうち半分以上でESGインテグレーションを採用していると開示。しかし、社内資料では、ESGインテグレーションはごく一部にすぎず、DWSがESG能力について誤った説明をしていたFixler氏が語っているという。
DWSの広報担当者は、今回の反論声明の中で、同社は2020年アニュアルレポートの内容を支持し、第三者調査の結果、フィクスラー氏の言い分は無意味と切り捨てた。また、ESG投資の定義は常に進化しており、他の企業よりも保守的に定義していると市場からはみられていると誇示した。
同紙によると、同紙によると報道を受け、米証券取引委員会(SEC)と米司法省は、同社に対する初期段階の捜査を開始したという。またブルームバーグによると、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)も同社に対する捜査を開始したという。
フィックスラー氏は、DWSを解雇されており、ドイツの雇用法廷で解雇についても係争状態にある。
【参照ページ】DWS statement on current coverage
【参照ページ】U.S. Authorities Probing Deutsche Bank’s DWS Over Sustainability Claims
【参照ページ】DWS shares slide after greenwashing claims prompt BaFin investigation
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