年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は8月20日、第4回目となる2020年度版の「ESG活動報告」を発行した。ESG投資のパフォーマンス、ESGエンゲージメントの成果、集団的エンゲージメントの参加状況に加え、昨年に続き気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく開示も実施した。
GPIFが選定している7つのESG株式インデックスでは、「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数」「FTSE Blossom Japan Index」「S&P/JPX カーボン・エフィシエント指数」「S&Pグローバル・カーボン・エフィシエント大中型株指数(除く日本)」「MSCI ACWI ESGユニバーサル指数」「Morningstar先進国(除く日本)ジェンダー・ダイバーシティ指数」で、過去4年間では、全てのインデックスが、日本株アセットクラスでは9%以上、外国株式アセットクラスでは13%以上の超過リターンをマーク。一方、2020年4月から過去1年では、「FTSE Blossom Japan Index」のみが超過リターンをマークした。背景には、2020年2月から3月にかけESGインデックスが大幅にアウトパフォームしていた関係から、4月以降のインデックスの上昇度が抑制された形。
全アセットクラスに対して実施しているESGエンゲージメントでは、MSCIとFTSEの指数での対象上場企業のESGスコア改善度の国際比較を実施した。日本企業の平均でのランキングは、FTSEは世界6位に浮上、MSCIは4位で昨年のまま変わらず。FTSEでは、香港に一昨年に追い越されたが、今年は挽回した。MSCIでは、日本の上昇度は高かったが、首位英国との差は開いた。
気候変動によるリスクと機会の測定では、分析対象をスコープ3排出量にまで拡大したことや、産業間分析を実施したことが大きな特徴。昨年に続き、気候バリュー・アット・リスク(CVaR)の手法を採用した分析も実施した。
【参照ページ】「2020年度 ESG活動報告」を刊行しました
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