ペプシコは8月17日、2030年までに「ネット・ウォーター・ポジティブ」を目指すと発表。事業使用水の大幅削減とともに、国際NGOウォーターエイドに100万米ドル(約1.1億円)を寄付し、水ストレスの高い地域での水支援対策を強化すると表明した。
ネット・ウォーター・ポジティブは、水リスクの高い地域にある自社及び第三者の事業所で使用した水の100%以上を地域の水系に補給する状態のことを指す。飲料メーカーの水対策では、従来から水還元を行ってきたが、必ずしも還元場所や支援場所が実際に水を消費した水系の近くではなかった。同社は今回、水ストレスの高い水系で操業する最も水効率の高い飲料メーカーになると宣言した。
今回設定したアクションでは、まず、水リスクの高い地域にある自社もしくは取引先の約半数の1,000施設以上を対象に、ベストインクラスまたはワールドクラスの水使用効率基準を採用。これにより水消費量の削減を進める。これにより同社は、リスクの高い地域だけで年間110億l以上の水消費量を削減でき、現状からの削減率は50%にものぼる。さらに同社は、水リスクの高い全事業所でAWS(Alliance for Water Stewardship)認証を2025年までに取得する。
水の還元では、ペプシコ財団を通じて、水と衛生の国際NGOウォーターエイドともに100万米ドル(約1.1億円)のプログラムを新たに組成。サハラ以南のアフリカ家庭に安全な水を提供するためのプログラムを開始する。現地では、水インフラの改善、新しい水供給システムと公平な衛生施設の建設、衛生教育の促進を支援。また、女性や少女たちに、水源地や衛生施設を将来にわたって維持するための資金やトレーニングを提供する。同社はウォーターエイドと以前からパートナーシップを締結していた。
サハラ以南の地域では、新型コロナウイルス感染症を含め、病気の予防や治療に必要な水のインフラや供給が不足している国が多い。例えば、同地域の約70%の家庭には、家族が石鹸を使って手洗いをする場所がない。ワクチン接種も遅れている。
ペプシコ財団は、過去40年以上、ウォーターエイドとの長期的な協力にあり、2005年以来、1米ドルの投資に対して10米ドル以上の効果を生み出しているという。さらに約7億米ドルの追加資金のシードマネーとしても機能してきた模様。
【参照ページ】PepsiCo Announces "Net Water Positive" Commitment
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