IT世界大手米マイクロソフトと金融世界大手英HSBCの米国法人HSBC銀行USAは8月12日、米国内での貧困対策、失業、経済格差の問題に対処するため、効率的に適格な支援対象者を選定するため、米国最大のフードバンク団体「Feeding America」と協働すると発表した。フードバンクの支援を受けている人々にスキル開発の機会を提供する。
今回のアクションでは、HSBCが3,500万米ドル(約39億円)の資金を、マイクロソフトが助成金とオンライン学習コンテンツとして「LinkedIn Learning」の無料コースを提供する。また、Feeding Americaは、研修に参加する人々への育児支援や、個人間の公平性を担保するための戦略を検討する。
Feeding Americaは現在、食糧支援受給者の根本的な課題解決として、就労支援に着目しており、国や自治体の労働団体と提携し、最も成長が見込まれる有望産業を特定。キャリア開発イニシアチブを展開中。具体的には、同NGOの加盟フードバンクのうち8団体が、すでにキャリア開発を試験的に実施。実効性を評価している。試験導入しているのは、アーカンソー・フードバンク、ミッド・オハイオ・フードバンク、フィラバンダンス、サンアントニオ・フードバンク、ノーステキサス・フードバンク、ヒューストン・フードバンク、デラウェア・フードバンク、メリーランド・フードバンクで、特に非白人や女性の間での格差や失業率が高い地域に焦点を当てている。
米国では、非白人、大学以上の教育を受けていない人、年収が3.5万米ドル(約380万円)以下の低所得者が、失業者の割合が多い。2020年8月以降の米国の全失業者のうち、40%がアフリカ系米国人またはヒスパニック系で、63%が大学教育を受けていない。結果、就労に役立つスキルトレーニングを公平に受けられていないため、低所得者は食料確保の手段としてフードバンクを利用しているという。
Feeding Americaは、コンサルティング大手マッキンゼーの協力を得て、キャリア開発プログラムに必要な8つの要素を特定済み。そのうち、キャリア支援を実施する指導者採用、他の社会的サービスへのアクセスの提供、地域のパートナーの結集等についてはすでに実現できる目処が付いてきた模様。
HSBCが提供する資金は、Future Skills High Impact Project Fundを通じて実施。また、HSBCが提供する資金の供給先は、Feeding Americaが厳正なプロセスを経て決定した。
HSBCは2012年以来、総額550万米ドル(約6億円)をFeeding Americaに寄付している。
【参照ページ】HSBC and Microsoft join forces to support the new Feeding America® Workforce Development Initiative
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