アジア開発銀行(ADB)と金融世界大手4社は、ASEAN地域での石炭火力発電を廃止し、再生可能エネルギーに転換する計画を進めている。海外メディアが8月3日、一斉に報じた。11月の第26回国連気候変動枠組条約グラスゴー締約国会議(COP26)に向け準備を進めているという。
今回の準備に参画しているのは、ADB、英保険大手プルーデンシャル、米銀行大手シティグループ、英銀行大手HSBC、米投資運用大手ブラックロック・リアル・アセット。アジア各国政府や国際開発金融機関との協議もすでに始まっている。
海外メディアによると、同アクションの背景には、銀行や開発金融機関が機関投資家からのプレッシャーを受け、石炭火力発電へのファイナンスが難しくなっていることを受けたものという。
考案されているスキームでは、株式、負債、譲与的融資を組み合わせ、既存の石炭火力発電所アセットを市場価格以下で購入。その後一定期間運営を続け、同アセットの投資家や債権者に返済し、発電所を予定よりも短期間で廃止する。同時に、再生可能エネルギー及びバッテリーに投資するスキームも発動し、双方で石炭火力発電所の廃止と再生可能エネルギーへの転換を進める。
同スキームでは、政府系金融機関から市場水準以下の譲与的融資を引き出すことで可能となるため、PFI(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)を応用して発案された。すでに、ADBや経済協力開発機構(OECD)、世界経済フォーラム(WEF)が運営する「Association of Southeast Asian Nations hub for the Sustainable Development Investment Partnership(SDIP)」を通じて、ASEAN財相会合や欧州委員会にも構想が共有されている。
ADBはすでに、インドネシア、フィリピン、ベトナムを対象としたフィジビリティ・スタディに約170万米ドル(約1.9億円)の予算を割り当て、資産を取得する場合の発電所廃止コストの試算を始めているとも報じられている。
【参照ページ】Exclusive-ADB, Citi, HSBC, Prudential hatch plan for Asian coal-fired closures -sources
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