塩野義製薬と中国保険最大手中国平安保険子会社の中国平安人寿保険は7月29日、両社が合弁で設立した平安塩野義(上海)の開所式を開催した。平安塩野義(上海)は6月30日に、中国平安保険のインシュアテック子会社「平安健康医療科技」との間で、リアルワールドデータの収集・解析で提携を発表しており、中国での事業が本格スタートする。
中国平安保険は、世界有数の生命保険会社でありながら、早くからビッグデータに着目。保険のDX化の分野で世界をリードしている。合弁会社の平安塩野義は、塩野義製薬の研究開発部門を活用し、新たな創薬や製品開発を進めるための研究開発を担う。塩野義製薬の研究機能の中枢を担う医薬研究センターのリソースも活用していく。
塩野義製薬と中国平安保険の提携関係では、中国平安保険が塩野義製薬に2%を出資。その上で、塩野義製薬の香港子会社である塩野義製薬(香港)が51%、中国平安人寿保険が49%を出資した事業会社を2つ設立した。具体的には、上海を拠点する「平安塩野義(上海)」と、香港を拠点とする「平安塩野義(香港)」。さらに、塩野義製薬の完全子会社だった販売事業会社「深圳市連誠医薬」と製造会社「南京長澳制薬」が「平安塩野義(上海)」の100%子会社に、大阪に本社を置く一般用医薬品事業の100%子会社「シオノギヘルスケア」が「平安塩野義(香港)」の100%子会社となった。
平安塩野義(上海)の事業は、ビッグデータとAIを活用した創薬、AIを活用した製造・品質管理・品質保証、O2O(Online to Offline)を活用した販売・流通プラットフォームの構築の3つ。いずれもがテックに関係しており、中国平安保険が得意としている分野。平安塩野義(香港)は、財務や知財マネジメント及び輸出入・販売を担い、活動をバックアップする。塩野義製薬としては、創薬インフラ強化とアジア市場への足がかりを期待している。
6月に発表した平安塩野義と平安健康医療科技の提携では、代謝性疾患患者を対象としたリアルワールドデータ(RWD)収集・解析研究で協働。具体的には、平安健康医療科技が保有するオンライン医療プラットフォーム「Ping An Good Doctor」を活用し、平安塩野義の販売医薬品を服用した患者の服薬履歴や睡眠・活動量・精神状態・認知機能等のRWDをモニタリング。情報を収集する。傘下には患者の同意を取る。
【参照ページ】革新的ヘルスケアサービス企業を目指す平安塩野義が開所式を開催
【参照ページ】中国平安との合弁会社設立に関する契約締結
【参照ページ】平安塩野義有限公司によるリアルワールドデータの収集・解析研究開始における 平安健康医療科技有限公司との提携について
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