英政府と英慈善団体Children's Investment Fund Foundationは7月29日、ボランタリー・カーボンオフセット市場の国際ルール策定イニシアチブ「ボランタリーカーボン市場インテグリティ・イニシアチブ(VCMI)」を発足したと発表した。国連開発計画(UNDP)も発足を支持。米国、ドイツ、カンボジア、ガーナ、コンゴ民主共和国、ケニアの各政府も発足を歓迎した。
同イニシアチブは、今後急成長が見込まれるカーボンクレジット市場において、企業向けにカーボンクレジットの活用と透明性の高いクレジット組成に関するガイダンスを策定していく。ガイダンス原案は2021年後半に提出する予定。幅広いステークホルダーでのパートナーシップを構築し、企業がカーボンクレジットを正しく活用できるようにしていく。
VCMIは、タフツ大学のレイチェル・キート・フレッチャースクール長と、ARM-Harith Infrastructure Investmentのタリェ・グバデゲシン・マネージングディレクター兼CEOが共同議長を務める運営委員会が監督。また、企業、政府、NGO、先住民、地域コミュニティ等が専門家アドバイザリーグループを形成し、米国NGOメリディアン・インスティテュートが事務局を務める。
同イニシアチブの発足背景は、企業はカーボンクレジットの活用の前に、直接的な削減アクションをとり、クレジットは補完的に活用するものである必要があるという認識がある。さらに、カーボンクレジットのプロジェクトでは、国や地域社会、先住民族に歓迎される方法で創出される必要があるとも考えている。そのため、活用と創出の双方で、在るべきルールを提示していく。
国際的な自発的炭素市場の組成に向けては、現在、「自発的炭素市場拡大に関するタスクフォース(TSVCM)」が準備を進めている。また、二酸化炭素排出量の削減目標設定については、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)が業界を牽引している。今回TSVCMとSBTiは、VCMIの発足を歓迎。相互に連携していく意思も示した。
【参考】【国際】自発的炭素市場拡大に関するタスクフォースTSVCM、2021年末にガバナンス機関創設へ(2021年7月13日)
【参照ページ】Major global initiative to bring rigour and transparency to net zero and carbon neutral claims
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