鉄鋼サステナビリティ国際団体ResponsibleSteelの「Net Zero Steel Pathway Methodology Project(NZSPMP)」は7月27日、鉄鋼業界での科学的根拠に基づく目標設定に関し、プロジェクトの最終報告書と提言を発表した。鉄鋼業界としての二酸化炭素排出量削減目標設定の指針を示した。
NZSMPは、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)が鉄鋼業界向けに定めているフレームワークには修正が必要との認識のもと、ResponsibleSteelに加盟している鉄鋼メーカー15社と世界鉄鋼協会、ドイツ鉄鋼協会が主導して発足。今回の業界構造に即した新たな目標設定フレームワークを掲げた。
NZSMPの運営は、アルセロール・ミタル、タタ・スチール、ブルースコープ・スチール、GFGアライアンス、ResponsibleSteel、世界鉄鋼協会(worldsteel)の6者がステアリンググループを形成。他にも、日本製鉄、日本製鋼所、ポスコ、ノヴォリペツクスチール(NLMK)、セヴェルスターリ、セルサ・グループ、リバティ、オウトクンプ、テルニウム、Tenaris、フェストアルピーネとドイツ鉄鋼協会もワーキンググループのメンバーとして参画した。
今回の発表された二酸化炭素排出量削減目標上での提言は、
- プライマリ・スチールとセカンダリ・スチールの区別
- 一貫したスコープとバウンダリーの設定
- 一貫した鉄鋼セクターの予算と道筋の設定
- 製鉄での副生物を使用することでの排出量削減の認識
- 科学的根拠に基づく目標を設定する際の規制政策の影響の考慮
- 一貫した目標設定のために既存の基準と手法を鉄鋼業界用にアレンジ
- 複数種類の鉄鋼製品を製造する企業に向けた明確なガイダンスの作成
今回の最終報告書は、ResponsibleSteelの加盟機関全体に支持を確認するプロセスを踏んでおらず、NZSMPとしての見解をまとめたもの。しかし、ResponsibleSteelは今回、ResponsibleSteelは運営している「ResponsibleSteel認証」の中に、今回の提言内容を盛り込んでいくことや、鉄鋼業界全体に向けた提言等の中でも考慮していくことも伝えた。
【参照ページ】The Net-Zero Steel Pathway Methodology Project (NZSPMP)
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