EVバッテリー世界大手中国CATL(寧徳時代新能源科技)は7月29日、第1世代のナトリウム電池と、ナトリウム電池とリチウム電池を1つのパックに統合できるABバッテリーパック・ソリューションを発表した。CATLは、ナトリウム電池の開発に注力してきており、今回ついに披露した。
ナトリウムイオンは、リチウムイオンと比べ、体積が大きく、構造の安定性や、材料の運動特性の制御が困難。これに対しCATLは、正極材に、プルシアンホワイト材料を採用し、電子を再配置することでバルク構造を再設計。材料サイクル時に容量が急低下にする問題を解決した。また、負極材には、独自開発した多孔質構造のハードカーボン材を採用。優れた充電性能を実現した。
今回開発した第1世代のナトリウムは、最大容量が160Wh/g。室温環境下で、15分で容量の80%を充電できる。またマイナス20℃下でも、容量保持率は90%、システム統合効率でも80%以上に達した。トラクション用電池の中国の国家安全規格も満たしており、交通機関の電化を促進できるという。次世代ナトリウム電池では、200Wh/kg以上を目指す。
CATLは今回、技術開発での戦略分野をあらためて3つ説明した。1つ目は、化石燃料火力発電を再生可能エネルギー発電とエネルギー貯蔵で代替する技術。2つ目は、移動用化石燃料をEV用バッテリーで代替する技術。3つ目は、電化とインテリジェンスを活用した市場アプリケーションの統合イノベーション。そのため、化学、構造システム、製造システム、ビジネスモデルの4つの柱でイノベーションを起こしていく。
【参照ページ】CATL Unveils Its Latest Breakthrough Technology by Releasing Its First Generation of Sodium-ion Batteries
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