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【国際】ダウ、単一ポリエチレン素材の食品パッケージ開発に成功。オランダ工場は2030年にCO2を40%減

 化学世界大手ダウは7月15日、ポリエチレン単一素材のハイバリア包装フィルムの開発に成功したと発表した。シンテゴン、Comexi、Ticinoplast、Plastchim-Tとの共同開発で、高品質のままリサイクル性を高めた。プラスチックのサーキュラーエコノミー化の一環。

 同フィルムは、Ticinoplastが開発し、Plastchim-Tで製造された高機能なテンターフレーム型二軸延伸ポリエチレン(TF-BOPE)フィルムと、ダウのPack Studios Tarragonaで製造されたバリア性の高いラミネーションフィルムの組み合わせによって実現。さらに、Comexiが、CI8印刷機を用い、高品質の無溶剤オフセット印刷で無溶剤ラミネーションの工程を担当した。最終的に、シンテゴンが開発したVFFS(Vertical Form-Fill-Seal)機械で、毎分80個の包装パッケージを生産した。

 同社は、包装・容器用途で販売する全製品を、2035年までに再利用可能またはリサイクル可能にするという目標を定めている。EUでは、2025年までにリサイクル可能な包装・容器の割合を100%にするという政策も打ち出しており、ダウはいち早く対応していく。

 同社のEU事業では、オランダ子会社ダウ・ベネルクスが6月8日、2030年までにオランダのテルノイゼン事業所からの二酸化炭素排出量を40%削減する目標も発表している。これは同社全体で目標とする2050年カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)の中間目標となっている。

 発表では3段階のロードマップを提示。まず、第1段階では、ブルー水素プラントを建設し、水素を燃料として活用。副生物の二酸化炭素は、ひとまず回収して保管しつつ、商業利用するためのカーボンリサイクル技用途を検討していく。ブルー水素プラントは2026年に稼働予定。これにより、年間の二酸化炭素排出量を140万t削減できる。雇用創出は、水素プラント建設と関連インフラ建設で3年間で3,500人から4,000に。常勤雇用も自社と周辺で400人から500人も見込む。

 第2段階では、2030年までに、エチレン工場から二酸化炭素を回収しつつ、一部のガスタービンを電気モータードライブに転換。これにより、年間でさらに30万tの二酸化炭素排出量を削減できる。

 第3段階では、生産工程での使用する燃料を代替するためのイノベーションを起こす。これには、ロイヤル・ダッチ・シェルとのコラボレーションによるエチレン蒸気分解炉の電動化等が含まれる。

【参考】【オランダ】シェルとダウ、電気加熱式分解炉の実証プラントを2025年までに建設。CO2削減(2021年6月23日)

 同社は7月12日には、全米女子プロゴルフ協会(LPGA)および女子欧州ツアー(LET)のオフィシャル・サステナビリティ・パートナーになったことも公表した。ダウは先に、ゴルフ業界のサステナビリティNGOの「GEO Foundation for Sustainable Golf(GEO)」との連携を開始。今回もGEOの知見を活用しつつ、LPGAとLETにダイバーシティ、インクルージョン、環境サステナビリティの導入を進める。

【参照ページ】Dow teams up with the LPGA and LET as Official Sustainability Resource to advance environmental stewardship and inclusion through golf

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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