食品・消費財大手や小売大手が加盟する国際的な業界団体コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)は7月13日、分科会の「プラスチック廃棄物行動連合」に加盟する42社が、プラスチック容器・包装設計の業界規範「ゴールデン・ルール」を策定したと発表した。同42社は、自発的に2025年までに「ゴールデン・ルール」の達成を目指す。対象には、飲料容器、消費財容器、食品・医薬品包装等のあらゆるプラスチック製容器・包装が対象となる。
プラスチック廃棄物行動連合に加盟している42社は、ウォルマート、カルフール、セインズベリー、アルディ・サウス、レーべ・グループ、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、P&G、ユニリーバ、ロレアル、ヘンケル、ジョンソン・エンド・ジョンソン・コンシューマー・ヘルス、コルゲート・パーモリーブ、コカ・コーラ・カンパニー、ペプシコ、ネスレ、ダノン、モンデリーズ・インターナショナル、マース、フェレロ、マケイン・フーズ、バリラ、ベル・グループ、ロブロー、エシティ、グルポ・ビンボ、レキットベンキーザー、SCジョンソン、グラクソ・スミスクライン(GSK)、メルク・アニマル・ヘルス、テトラパック、アムコール、香港のディリー・ファーム、北京華連集団、シンガポールのNTUCフェアプライス、メキシコのGrupo AlEn等。日本企業では花王のみが加盟している。
プラスチック廃棄物行動連合の運営幹部は、CGF理事会からは、ユニリーバのアラン・ジョープCEOと、ロブローのゲーレン・ウェストン取締役会議長が所管。運営委員会の共同議長には、マースのバリー・パーキン最高調達・サステナビリティ責任者と、ウォルマート・カナダのロバート・ニコルコーポレートアフェアーズ担当副社長が選任されている。
プラスチック廃棄物行動連合は、CGFが2018年に英エレン・マッカーサー財団のイニシアチブ「ニュー・プラスチック・エコノミー」を賛同したことを受け、2020年に発足。発足時には、パッケージの再設計、最適な拡大生産者責任(EPR)プログラムのフレームワーク開発、リサイクルのイノベーション促進、先進国と新興国でのリサイクル率向上の4つを優先事項として掲げていた。
今回完成した「ゴールデン・ルール」は、プラスチック使用量と廃棄物を削減するための統一業界規範。42社は、世界のプラスチック容器・包装市場の10%以上を占め、年間売上は1兆ユーロ(約120兆円)以上となる。42社は、2025年までにゴールデン・ルールを実現するとともに、進捗状況はプラスチック廃棄物に関する行動連合のホームページで公表される。
策定されたゴールデン・ルールの9つの内容は、
- PETリサイクルの経済価値向上:透明のペットボトル活用、もしくは透明な青もしくは緑のペットボトルを活用。ラベル原料がリサイクルを阻害しない。
- 問題のある素材を容器・包装で不使用:検出できないカーボンブラック、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、EPS(発泡ポリスチレン)、PS(ポリスチレン)、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)、酸化型分解性の素材を容器・包装で使わない。
- 過剰な余白スペースの撲滅:製品の余白スペースを全体の30%以下に抑える
- プラスチック過剰包装の削減:必要でない過剰包装を減らす
- 熱成形PETトレイ・容器・包装リサイクルの経済価値向上:再生PET(rPET)の含有率を向上するためのインフラ整備や廃棄物回収を加速
- フレキシブルパッケージング(軟質包装)リサイクルの経済価値向上:軟質包装の家庭ゴミとしての処理や、家庭外での廃棄に対処
- HDPEやPPリサイクルの経済価値向上:再生素材を活用するための廃棄物回収を加速
- B2Bでのプラスチック容器・包装でのバージンプラスチック消費削減
- パッケージへのリサイクル・ラベル表示:わかりやすい明確なラベル表示を実現
9つのルールのうち、最初の2つは、2020年12月に先行して発表されており、今回残りの7つのルールが決定した。各々の分野には、例外措置も細かく設けられており、遵守に向けた細かい設計を行っている。
【参照ページ】CGF Plastic Waste Coalition Launches Full Set of “Golden Design Rules” to Tackle Plastic Waste
【参照ページ】World’s Leading Brands and Retailers Join Forces to Tackle Plastic Waste Challenge Through Packaging and Policy Commitments
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