投資運用世界大手米フィデリティ・インターナショナルは7月26日、議決権行使・エンゲージメント方針を公表。気候変動と取締役ジェンダー・ダイバーシティ等の議決権行使基準を設定した。同社の運用資産総額は5,190億ポンド(約80兆円)。
同社は今回、方針改訂の目的に関し、「投資先企業に持続可能な未来の促進に関するアカウンタビリティを奨励」「社会にとって持続可能な金融システムの構築を支援しながら受益者のリターンを強化する」の2つと説明した。
今回発表した「持続可能な投資のための議決権行使原則とガイドライン」は、12のテーマについての議決権行使基準を示した。
- 一般原則と適用
- 株主の権利とオーソリティ
- 企業文化と行動規範
- 監査と財務報告
- 報酬
- 方針の策定と改訂
- 投資関連事項
- 資本マネジメント
- 利益相反
- 気候変動の監督・慣行・アクションのガバナンス
- 環境・社会責任
- 株主提案
その中で、気候変動に関しては、気候変動に関する方針開示、二酸化炭素排出量開示、取締役会での議論及び監督については全ての企業に要求。さらに二酸化炭素排出量の多い企業に関しては、二酸化炭素排出量削減目標、気候関連のリスクと機会の記述、複数のシナリオを用いたシナリオ分析、1.5℃目標シナリオでのインパクトについての開示も要求した。同社が掲げる基準に達しない場合は、2022年以降の取締役選任決議で反対票を投じる。
取締役ジェンダー・ダイバーシティに関しては、先進国では取締役の女性比率が30%未満、その他の国では15%未満の企業に対しては、取締役選任決議に反対票を投じる。また、従業員の差別禁止方針、採用・昇進でのバイアス回避の実践動向についても取締役会に監督を要求。さらに、ジェンダーダイバーシティが長期的な株主価値を高めるという信念を取締役会が示すことまでもを要求した。
同社は、日常的なエンゲージメントの中で、今回の基準についても話題にし、推奨アクションについて説明。その上で、株主提案や議決権行使等を行っていくことも表明した。
【参照ページ】Sustainable investing voting principles and guidelines
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