国連食糧農業機関(FAO)とアフリカ連合委員会(AUC)は7月13日、アフリカ大陸での土地把握イニシアチブ「アフリカ・オープンDEAL(環境・農業・土地に関するデータ)」の調査結果を発表。森林以外の場所に合計で70億本の木が生息していることを観測した。
アフリカ・オープンDEALは、データに基づいた土地利用把握により、持続可能な生産、自然環境の修復、気候変動対策等を実現するためのプロジェクト。2018年から2020年の間に、30万以上のサンプリングポイントを設定し、大陸全体の土地利用の把握に成功したことで、アフリカは世界で初めて土地利用の状況が判明した大陸となった。
同プロジェクトでは、FAOがグーグルのオープンソースのツール「Collect Earth」の操作支援を受け、0.5ha単位で地理空間情報を把握。樹木の数、農地、山火事、既存のインフラ設備等、100以上のパラメータを収集することができた。このデータを解析し、過去20年間の土地利用の変化や、環境修復の可能性が明らかとなった。
今回の解析の結果から、これまで人が近づきがたかった場所も含め、これまで未確認だった樹木が70億本あることが確認された。さらに、アフリカのサヘル地域の森林破壊を防ぐ国連砂漠化対処条約(UNCCD)のイニシアチブ「グレート・グリーン・ウォール」を通じ、まだ3億9,300万haの植林可能な土地があることも判明。開拓された農地は3.5億haもあり、EUの農地の2倍も存在していることもわかった。
今回収集されたデータは、FAOの「Hand-in-Hand Initiative」の情報プラットフォームに組み込まれ、EarthMap.orgを通じて誰でもアクセス可能。FAOとAUCは、農地転換等の土地利用変化対策等でも今回のデータを活かしていく。
【参照ページ】7 billion trees outside forests in Africa reported for the first time in new data survey
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら