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【国際】ケリング、包括的なサーキュラーエコノミー戦略発表。LVMHも高度な繊維リサイクルへ

 アパレル世界大手仏ケリングは7月7日、同社の気候変動・生物多様性戦略と整合した包括的なサーキュラーエコノミー戦略を示したレポートを発表した。同社はリサイクルの実施だけでなく、製品設計、製造・利用方法の改善、リジェネラティブ農業への移行加速、製品寿命の拡張等も含め、事業の中に全面的にサーキュラーエコノミーを位置づけた。

 同社が今回掲げた目標は、製品処分ゼロ、2022年までに100%再生可能エネルギー転換、2025年までに使い捨てプラスチックの廃止、2025年までに100%同社基準を満たした原料へ転換、2030年までにマイクロファイバー漏洩ゼロ。


(出所)Kering

 加えて同社は、他社との協働も強化している。2019年には、事業活動において気候変動、生物多様性、海洋保護の3つの分野でアクションを起こす共同誓約「ファッション協定(The Fashion Pact)」に署名。2月には、環境インパクト削減推進NGO「Apparel Impact Institute」主導のプロジェクト「Made in Italy project」を発表した。

 同社はその他にも、海洋プラスチックごみ削減イニシアチブ「マイクロファイバー・コンソーシアム」、アパレル業界のサステナビリティ団体「Fashion for Good」、サーキュラーエコノミー推進の英エレン・マッカーサー財団等と協働。環境保護NGO「Legambiente」とは、透明性ある監査に向けたエンゲージメントを行った。

【参考】【国際】アパレル32社、「ファッション協定」を共同宣言。気候、海洋、生物多様性で目標。日本企業参加ゼロ(2019年8月25日)

 さらに同社は、リジェネラティブ農業促進基金「Kering Regenerative Fund for Nature」を通じた投資も実施。サーキュラーエコノミーは資源利用でポジティブな影響を与えるだけでなく、事業機会を創出すると強調した。

 また、高級アパレル世界大手仏LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)は6月24日、サーキュラーエコノミー推進で、繊維リサイクルスタートアップWeturnとパートナーシップを締結すると発表した。今回のアクションは、水・土壌・大気の3分野の保全を強化する同社環境戦略「LIFE 360」の一環。

【参考】【国際】LVMH、水・土壌・大気保全で新戦略。サーキュラーエコノミー化にもコミット(2021年6月8日)

 Weturnは、2022年1月からフランス施行される「循環型経済のための廃棄物対策法(AGEC法)」に着目し、2020年に創業。同法では、新品または未使用の繊維素材の処分が禁止される。同社は、主要アパレル企業や繊維専門家、工場在庫や端材、知的財産保護製品を対象に、繊維リサイクルを実施。リサイクル業者や紡績、生地製造等と協働し、100%トレース可能な欧州生産を実現する他、デジタル分別や低コスト回収ツール活用で、高品質の糸や生地製造の低コスト化にも成功した。

 Weturnは、高いトレーサビリティを担保し、現状1%以下の繊維業界のリサイクル率を50%以上まで引き上げるのが目標。一方LVMHも、5月、サーキュラーエコノミー化に向けたコミットメント目標を発表済み。2023年までに商品の修繕やリサイクルサービスを強化し、2026年までには包装での化石燃料由来バージンプラスチックの使用を停止。2030年までには、新たに製造する全商品でエコデザインを採用する。

【参照ページ】Kering publishes "Coming Full Circle", a new report outlining the group's ambition for a holistic approach to circularity
【参照ページ】By teaming up with weturn, LVMH is adopting a high-quality textile recycling process and strengthening its creative circularity solutions
【画像】LVMH

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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