米ジョー・バイデン大統領は7月9日、米企業の競争を促進する大統領令に署名した。過去数十年間で大企業が強大になったと認識し、競争の欠如は消費者価格を上昇させ、消費者賃金を下げるとし、インターネット、ヘルスケア、金融、農業等の分野で競争環境を高める必要があると判断した。
米大統領の発表によると、米国産業の75%以上では、大企業による支配力が強化。これにより一般家庭のコストは、年間5,000米ドル生じているという。販売価格は原価の3倍もの値付けがなされ、広告費用の相場は17%も低下。建設業や小売業等を含めると数千万人の米国人が、就職の条件として競業避止義務を課され、より賃金の高い仕事に転職することが困難になっている模様。
今回の署名した大統領令は、連邦政府の各機関に対し、競争法を強化するよう求める指示。10以上の連邦政府機関に対し、72の行動を命じた。主要な内容は、
- 賃金向上:競業避止義務や経済的流動性を阻害する不必要な慣行を禁止または制限
- 医薬品費用低減:カナダから安全で安価な医薬品を輸入する州政府や先住民自治区政府の政策を支援
- 補聴器費用低減:補聴器のドラッグストアでの店頭販売を許可
- インターネット費用低減:入居者にインターネットサービスを独占契約させる家主の慣行を禁止。過剰な早期解約料も禁止
- 航空機費用低減:追加料金の開示義務化でキャンセルや航空券の比較検討を容易化
- 修理権改善:メーカーが自社製品の自己修理や第三者による修理を禁止する行為を制限
- 銀行変更:顧客が金融取引データを他の銀行に移送できるようにすることを銀行に義務化
- 小規模農家の収入向上:一部の食肉加工業者による悪質な行為を阻止
- 中小企業の機会向上:全ての連邦政府機関に政府調達で中小企業を支援
他にも、競争法の所管機関でも対応を強化する。
- 司法省(DOJ)と連邦取引委員会(FTC)は悪質な合併を阻止するよう反トラスト法を積極活用
- 特に労働市場、農業市場、医療市場、テクノロジー分野で政策を発表
- 国家経済会議(NEA)長官を議長とするホワイトハウス競争評議会を設置。大統領令の執行状況をモニタリング
【参照ページ】FACT SHEET: Executive Order on Promoting Competition in the American Economy
【参照ページ】Executive Order on Promoting Competition in the American Economy
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