経済産業省資源エネルギー庁は7月1日、小売電力事業者の需給不一致ペナルティ「インバランス」の料金に上限を設定するよう省令を改訂する告示を施行した。予備率に応じて、上限価格が漸減するよう制度を導入する。
今回の制度改正の背景には、1月に卸電力市場(JEPX)での売り入札が減少し、インバランスをおそれた小売電力事業者が、高値で買い入札を行う現象が発生したことがある。価格上昇に歯止めが効かなくなり、結果として小売電力事業者の財務は大きく悪化し、なかには倒産する事業者も出た。
【参考】【日本】経産省、小売電力向けの1月インバランス料金支払いの9月分割払い特例を認可(2021年3月23日)
これに対し、資源エネルギー庁は、電力需給の逼迫と市場価格高騰の要因を検証。「2020年度冬期の電力需給ひっ迫・市場価格高騰に係る検証中間取りまとめ」として報告書もまとめた。その中で、需給の逼迫状況とは乖離して市場価格が高騰することを防ぐ措置として、インバランス料金上限措置の導入も提言されていた。
今回のルールでは、まず2021年度の暫定措置として、一般送配電事業者が前日夕方に公開する「でんき予報」上の各日に最初に公表された予想予備率(使用率ピーク時)が複数の供給区域で3%以下となる場合、インバランス料金の上限価格を200円/kWhとする。上記以外の場合、インバランス料金の上限価格を80円/kWhとする。
また2022年度以降は、広域的な予備率に基づき、上限が漸減する制度へと移行していく。但し、上限価格が適正価格になっておらず、高すぎるとの声もある。
(出所)経済産業省
【参照ページ】インバランス料金に2段階の上限価格を導入するための改正省令等が施行されました
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