オランダNGO栄養アクセス財団(ATNF)は7月1日、食品大手の栄養に関する経営レベルのランキング「栄養アクセス・インデックス(Access to Nutrition Index:ATNI)」の2021年度結果を発表した。日本企業も3社が対象となった。
ATNIの発表は、初回が2013年。その後、2016年、2018年と続き2021年が4回目となる。評価手法は毎回少しずつ変化している。2021年度では、ガバナンスでの栄養考慮が12.5%、製品の栄養が35%、アクセス性が15%、マーケティングが20%、ライフスタイルが2.5%、商品ラベルが10%、エンゲージメントが5%の構成比。ANTFが対象と選定した企業数は、2018年の22社から2021年は25社に増加した。日本企業は前回と同様の味の素、明治ホールディングス、サントリーホールディングスの3社のままだった。市場調査の対象市場も2018年の9市場から25市場に拡大した。
2021年の首位はネスレ。2位以下は、ユニリーバ、フリースランド・カンピーナ、ダノン、アーラ、マース、ペプシコ、ケロッグ、グルポ・ビンボの順。日本企業では、明治ホールディングスが12位タイ、味の素が14位タイ、サントリーホールディングスが21位タイ。3社とも上位になれなかった。ネスレについては、ATNIを意識した社内調査を実施していることが事前に明らかになっていた。
【参考】【国際】ネスレ、食品栄養基準強化へ。栄養アクセス・インデックスATNIでの評価体系を意識(2021年6月3日)
全体傾向では、栄養ガバナンスのスコアが改善したのは9社。製品の栄養改善が9社。また、企業独自の栄養素プロファイルモデル(NPM)を策定して製品の栄養状態をモニタリングしている企業も14社あった。19社が栄養素の再設計を実行中。国際食品規格委員会(コーデックス)と世界保健機関(WHO)及び国連食糧農業機関(FAO)による国際ガイダンスを遵守している企業は9社で、前回の4社から大幅に増加した。
製品栄養の調査では、前回の9ヶ国・地域から、今回は25ヶ国・地域へと大幅に増加した。対象国・地域は、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ロシア、オーストラリア、ニュージーランド、日本、中国、香港、フィリピン、タイ、インドネシア、ベトナム、ブラジル、南アフリカ、ナイジェリア。日本市場が初めて対象となった。
商品ラベルでは、消費者にわかりやすく解釈した数字を掲載する栄養表示ラベル(FOP)を導入している企業は0社だったが、今回は6社に増加。栄養に関するロビー活動の内容開示でも、2018年の2社から2021年には12社に増えた。
【参照ページ】Global ATNI 2021
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