東京都は6月25日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を目前に控え、象牙取引に関する東京都独自のルールを設定した。東京都は1月に「象牙取引規制に関する有識者会議」を発足、具体的措置の検討を行っていた。
象牙及び象牙製品については、ワシントン条約で国際間取引が制限されており、「外国為替及び外国貿易法」により、日本への持込や日本からの持ち出しは、原則として禁止されている。また、日本国内でも「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」により、象牙製品等の取引は原則として禁止されているが、特別国際種事業者登録を受けている事業者から象牙製品を入手する場合と、あらかじめ登録を受け登録票の付いている全形牙を登録票と共にやりとりする場合は、取引が可能となっている。その結果、印鑑、装飾具、調度品等の象牙加工製品での取引が普通に行われている状況にある。
【参考】【国際】ワシントン条約会議、象牙取引の国際禁止決議を先送り。日本とEUが反対(2019年8月26日)
その反面、すでに企業では自主的に象牙製品の取引を禁止する措置を打ち出すところも増えてきている。
【参考】【日本】WWFジャパン、ヤフーや楽天で象牙製品取引のほぼ全廃を確認。中小での取引増を懸念(2020年12月15日)
【参考】【日本】印鑑事業者、違法と知りながら海外輸出狙いの象牙印鑑販売を実行。2年前より状態悪化(2021年1月17日)
東京都の今回の独自ルールは、まず、都内の登録事業者に、「販売窓口で『海外持出の原則禁止』を周知」、「購入希望者に『海外への持出はしない」の意思確認」「購入希望者が訪日外国人等、海外持出のおそれがある場合に販売自粛」の3点。さらに今回、経済産業省、環境省、税関等と連携し、啓発ポスターも制作した。
東京都が設置した「象牙取引規制に関する有識者会議」には、国際NGOの世界自然保護基金(WWF)ジャパンとTRAFFICも委員として参加した。
【参照ページ】東京都における「象牙製品等の海外持出防止」の取組
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