国連グローバル・コンパクト(UNGC)は6月9日、サプライチェーンでのディーセント・ワークを実現するための賃金改善ガイダンスを発行した。サプライチェーンの人権に関しては、強制労働に焦点が当たっているが、すでに賃金に在り方についての議論も深まってきている。
今回のガイダンスを発行したのは、UNGCが2017年に組成した「グローバル・サプライチェーン上のディーセント・ワーク・アクションプラットフォーム」。同プラットフォームの現在の加盟企業は、ユニリーバ、ロレアル、ペルノ・リカール、ダイムラー、BASF、ミシュラン、ピレリ、ロイヤル・ダッチ・シェル、トタル、Eni、サハリン・エナジー・インベストメント、シュナイダーエレクトリック、UPMキュンメネ、インディテックス、レレックス、CP(チャロン・ポカパン)グループ、グローバル・グリーン・ケミカルズ、マコーミック、フィルメニッヒ、サファリコム等20社以上。新興国からも加盟しているが、日本企業はゼロ。またパートナー機関は、国際労働機関(ILO)、国連児童基金(UNICEF)、NGOグローバル・ディールの3者。
同ガイダンスは、サプライヤーでの「生活賃金(Living Wage)」の考え方にスポットを当てている。生活賃金未満の労働では、働きながらも貧困状態にあり、貧困ゼロの国連持続可能な開発目標(SDGs)を達成することができない。現在、低中所得国には、生活賃金未満の労働者が7億人いると言われている。ガイダンスでは、サプライチェーンの複雑な賃金問題に対処するための実務的な手順を整理した。事例も掲載されている。
UNGCは、「グローバル・サプライチェーン上のディーセント・ワーク・アクションプラットフォーム」以外にも、「サステナブルファイナンス」「気候アンビション」「水レジリエンス」「持続可能な海洋ビジネス」「平和・正義・強固な機関」の5つの領域でアクションプラットフォームを運営している。
【参照ページ】IMPROVING WAGES TO ADVANCE DECENT WORK IN SUPPLY CHAINS
【参照ページ】Decent Work in Global Supply Chains
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