自動車世界大手米フォードと、同社の財団フォード財団は6月22日、米慈善団体GlobalGivingと協働し、コンゴ民主共和国での銅およびコバルト採掘サプライチェーンに従事している女性のエンパワーメント実証プログラムを開始すると発表した。
コンゴ民主共和国は、主要コバルト産出国。2020年には、コバルト需要の70%が同国からの輸出で賄われた。そのうち14%は、児童労働が発生しやすい小規模採掘だという。また女性も小規模採掘現場で労働しており、差別や暴力の対象にもなっているという。また、女性は教育機会も乏しく、経営者となることも難しい。
同社はこうした事態を課題視。フォード財団とフォードの調達部門が資金を拠出することを決めた。今回の実証をプログラムでは、同地域の女性に対し、金融教育、マネジメント、資源採掘、リーダーシップに関するトレーニング等を提供。女性が経営するコバルトや銅の採掘協同組合を設立することを目指す。また、同国政府の政策や企業プログラムもモニタリングする。現地NGOのOil and Mining Governance Centerがプログラムを統括し、フォードはプログラム支援組合からの資源調達も進める。
同社は、国際労働機関(ILO)や国連グローバル・コンパクト(UNGC)の要請にも呼応している。UNGCは、2025年までに児童労働の根絶を進めるイニシアチブ「2021アクションプレッジ」を発足。全ステークホルダーに対し、2021年12月までに児童労働の根絶に向け、達成可能な具体的な行動を取ることを求めている。フォードは、同イニシアチブに加盟。人権ポリシーや人権デューデリジェンスプロセスの強化、サプライヤー行動指針の策定等を行った。電子機器業界サステナビリティ推進機関RBA(責任ある企業同盟、旧EICC)との協働も進める。
その他自動車業界では、フォルクスワーゲン、BMW、ルノー、ボルボ、本田技研工業等が世界経済フォーラム(WEF)の「世界バッテリー連合(GBA)」に加盟。6月8日には、バッテリー・サプライチェーン上での児童労働を撲滅するための2021年の行動誓約を発表済み。
【参考】【国際】WEFの世界バッテリー連合、児童労働撲滅でバッテリー・パスポート制度検討へ(2021年6月20日)
【参照ページ】FORD AND FORD FUND TO SUPPORT, PROMOTE RESPONSIBLE MINERAL SOURCING PILOT PROGRAM TO EMPOWER, ASSIST WOMEN
【画像】Ford
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら